【書籍】『日本SF短編 50 Ⅱ 日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー』読破
「from 1973 - to 1982」の作品を集めたvloumeⅡです。
~まさに"昭和"のSFって感じの作品(まあ、そうなのだけど)。その内容および雰囲気、やっぱり時代の特色ってあるんだなぁ。~
推理小説メインなので、SF作家さん達は「名前は聞いた事があるけど」が多い、本アンソロジーに収録されている作品群の著者も大部分は聞き覚えがあるのですが・・・作品に触れた事がない方が多数でした。
今回、良い機会となりました。
・「メシメリ街道」山野浩一
不思議な・・・いや抜け出せない街道に迷い込んだ青年の話。
プロット及び状況はそんなに独特ではないかな。結局、役立たなかった"お役所"が出て来るのが日本的なのかな。
・「名残の雪」眉村卓
幕末タイムスリップ話。こちらもあまり新鮮味はないかな。
・「折紙宇宙船の伝説」矢野徹
村の因習──村に混ざった異・・・人の話かな。
・「ゴルディアスの結び目」小松左京
『日本沈没』や『首都消失』の作家さん、小説で作品を読んだ事がないので、どんな"作風"なのか興味を持って読みました。
精神ダイブ?人の"憑く"というか侵食する何物なんだ・・・こんな独自というか、意表をついた作品もあるんだ。
・「大正三年十一月十六日」横田順彌
ある人の伝記?。
・「ねこひきのオルオラネ」夢枕獏
SFも書いているんだ、意外。格闘『餓狼伝』や伝奇ファンタジー?『陰陽師』の印象しかなかったので。
まあ、読んでみると奇妙なファンタジーを書いた──という内容で、SFなのか、これ。
・「妖精が舞う」神林長平
『雪風』は名前だけ知っているんだよなぁ・・・いつか読んでみたいけど。
本作はその一作目、ただ"初出のかたち"でシリーズ一作に収録された加筆修正版ではない版との事。
うーん、ちょっと本一話ではシリーズを読みたいというか、シリーズ独自/魅力の点が伝わって来なかったなぁ。
・「百光年ハネムーン」梶尾真治
『クリスマス・キャロル』のオマージュとの事。貴重さ鉱石を独占する強欲会長が・・・の話。
独自の舞台と設定、そして"ほっ"とする内容──私の中では本作にて一番、楽しめたかな。
・「ネプチューン」新井素子
未来の汚れた海で暮らす男女の話。ちょっとしたロマンス物かと思ったら──成程、こう来たか。
・「アルザスの天使猫」大原まり子
超能力を織り交ぜつつ独自の宇宙世界で描いている作品。
今回はタイトルの猫に纏わる悲しいお話となりましたが、同世界の各種ストーリーがあるようなので、少し読んでみたいかな。
(記:スッタコ小僧)
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