【書籍】『金色昔日 現代中国SFアンソロジー』読破
「ケン・リュウ」編、英訳された作品を邦訳かな・・・どうやら作家さんに焦点を当てて、中国のSF中編・短編をまとめた作品集となっています。
~~意外や意外、読み易い・・・逆にいうとあまり"お国柄"の特色が味わえなかったなぁ。~
登場人物名や舞台名が中華でなかったら、中国製とは気づかない作品が多数です。
まあ、タイトル作品等、中国の歴史と思想をネタにした題材もあるので、全てが該当するわけではありませんが。
なので、"普通にSF"を楽しめたというか、突飛なというか特色のある作品群が味わえなかった寂しさを感じました。
まだ読んでいないのですがSF小説『三体』の名が耳に良く届くようになったので、興味が沸いて手にとった本作。
アンソロジー第二弾だったからか、"あまり冒険的"な作品がなくて、いまいち【中国SF】といった事を味わう事ができませんでした。
これは、「まず第一弾を読んで、その他にこういった通常パターンもあるよ──」だったかもしれません。
SF作品集を読むと、少なくても<1~2作品>ぐらいは「えっ、この作品、私にはさっぱり・・・敷居が高いな。」と感じる作品が混じっているのに、本作では該当する作品が一切無かったので。。。
また、短編・中編の短さなのに全く不明な用語と世界観を描き切る"力技"の威力ある作品も無かったなぁ。
最後に収録されている作品の一覧を。
・「シアジア」著『おやすみなさい、メランコリー』
・「リウ・ツーシン」著『月の光』
・「タンフェイ」著『壊れた星』
・「ハン・ソン」著『潜水艇』『サリンジャーと朝鮮人』
・「チョン・ジンボー」著『さかさまの空』
・「パオシュー」著『金色昔日』
・「ハオ・ジンファン」著『正月列車』
・「フェイダオ」著『ほら吹きロボット』
・「ジャン・ラン」著『晋陽の雪』
・「アンナ・ウー」著『宇宙の果てのレストラン──蠟八粥』
・「マー・ボーヨン」著『始皇帝の休日』
・「グー・シー」著『鏡』
・「レジーナ・カンユー・ワン」著『ブレインボックス』
・「チャン・チウファン(スタンリー・チェン)」著『閃光』『未来病史』
以下はエッセイ。
・「レジーナ・カンユー・ワン」著『中国SFとファンダムへのささやかな手引き』
・「ソン・ミンウェイ」著『中国研究者にとっての新大陸:中国SF研究』
・「フェイダオ」著『サイエンス・フィクション:もう恥じることはない』
(記:スッタコ小僧)
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