【書籍】『三鬼 三島屋変調百物語四之続』読破
「宮部みゆき」著、江戸、小袋を扱う三島屋を舞台にした"異色"の百物語・・・時代、怪奇、人情というか人の性を描いた小説です。
シリーズ第四弾、読む順序が前後しましたが、これでやっと第一期、読了です。
~第一期の最後である第五弾を先に読んでしまった結果、なんともシリーズメイン登場人物達の出入りが激しいというか、いやに"あっさり"。~
本作で次巻や今後の展開に大きく影響する人物が二人も出て来るのに、どうにも何だろう、衝撃が少なかったかな。
でも、逆に"知らぬ間に、普通に溶け込んでいた"点を褒めるべきなのでしょうか。
さて、今回、三島屋で語られる物語は、以下の通り。
・迷い旅籠
凶作回避、豊作を願う毎年の"行灯祭り"。お殿様喪中につき、祭り中止の危機!?そこに、大きな未練を抱えた絵師が来た事から、一大異変が・・・怖いというより、悲しい物語。
・食客ひだる神
人気仕出し屋<だるま屋>が、毎年毎年、夏場を休む理由とは・・・。ほっこり、お店繁盛&てんてこ舞い物語。
・三鬼
土地が貧しく、財政が厳しい藩。罰により、上村と下村に分かれて山中に暮らす村送りとなった武士が経験する・・・その村の謎とは。
~当初、自分の中で想像していたよりは・・・の真実でしたが、それでもズーンと来る物語。~
・おくらさま
香具屋「美仙屋(びせんや)」の守護神"おくらさま"。家を守る為の代償とは・・・。
~聞き手である「おちか」に重要な出逢いと別れがあるのですが、前述のように私には薄味に感じました。どうも本作は掲載媒体として、「新聞の連載」だったようです。その影響なのかなぁ、新聞連載の場合、そう一回毎に"大"文量、掲載できないと思うので。[ぶつ切り?それとも、細かく分かれてしまっての印象ダウン?]~
でも、十二分に面白かったです。第二期も既に文庫版でも出ているようなので、うーん、直ぐにでも手を伸ばしたい所ですが、まだまだ色々な著者や別作品/シリーズにも入門しないとね。
最後にシリーズ感想、過去記事へのリンクを。
『おそろし 三島屋変調百物語事始』
『あんじゅう 三島屋変調百物語事続』
『泣き童子 三島屋変調百物語参之続』
『三鬼 三島屋変調百物語四之続』
『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』
(記:スッタコ小僧)
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