【書籍】『雪旅籠(ゆきはたご)』読破
「戸田義長」著、北町奉行所定町廻り同心「戸田惣佐衛門」と息子「清之介」、意外な謎解き才能を見せる遊女「お糸」を加えての親子二代・・・いや、武士の時代終わりまでの行く末を背景に"本格"事件を描いた時代ミステリ小説、短編集です。
~著者が本格物が好きで、良く読み込んでいるのは分かる・・・本作独自の光る作品もあれど、既出トリックの使い方に工夫がない作品は興ざめです。~
何も全く新しい謎・トリックを思いつけ、と言うつもりはありません。
色々出尽くしたとは言いたくありませんが、沢山の推理小説が出ている中で、全くの新規は難しい。
ただ、そこは現代作者の組み合わせ・隠し・変化の妙が見れる点かと思います。
本作も刀の時代、そして江戸という舞台・・・うーん、そこだけで満足してませんかね。ちょっと捻りが不足していて、ああ、あのトリック/謎か、と思ってしまった作品がどちらかと言うと多数を占めてしまって。
収録されている作品の内、"本作独自の光る~"作品の数が上回っていたら、若干、評価も変わったのですが、残念です。
・埋(うず)み火
全く心当たりのないのに突然、襲われた大工と襲った女性に秘められた・・・・。
・逃げ水
桜田門の変、辛くも生き残った護衛の侍にまさかの大老殺害容疑!?。
・神隠し
大店の主人が先代が作った自宅舞台、その舞台後片付け時に突然、消えた!?。
・島抜け
島流し先から逃亡した男女の内、女性を見つけた同心。尾行し潜伏先を突き止めるも・・・。
・出養生
無理心中事件から生き残った女性にまた、危機が・・・。足跡はあるも、道を見ていた目撃者は人は通っていないと。
・雪旅籠
久しぶりの再会をした商人、天候の怪しさも手伝い、そのまま宿に宿泊するも・・・死体発見者の足跡しかない、雪密室事件発生。
・天狗松
逃亡犯を追い詰めるも、二つしかない坂でどちらにも通っていないという。。。松の枝にはかの逃亡犯の手拭い、えっ天狗の仕業?。
そして逃亡犯の死体が別の場所で見つかる・・・。
・夕間暮
藩の為、切腹を命じられた男が前夜に賊にバッサリ。明日、死ぬ予定だった男に何が。
(記:スッタコ小僧)
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