【書籍】『GOSICK sⅣ─ゴシックエス・冬のサクリファイス─』読破
「桜庭一樹(さくらば・かずき)」著、ビスクドールのような少女「ヴィクトリカ」と日本からの留学生「久城一弥」二人の【推理】と【恋物語】を描いた作品、短編集の第四弾です。
今回は過去の事件の回想、「ヴィクトリカ」が「一弥」がまだ"いない"時に解いた謎を披露する形式となっております。
学園に来たばかり、引き籠りの「ヴィクトリカ」が村の事件を安楽椅子探偵よろしく推理するので、事件のスケール、トリックというか真相に至る経緯も小規模・・・・・・短編だからといったわけでもない程、謎が"小振り"です。
まあ、本編最終シリーズ前の各登場人物達に纏わる由来の"補完"巻といった所でしょうか。
・「ヴィクトリカ」の兄、「ブロワ」警部のドリル頭の由来
⇒第一話 白の女王は君臨する
・「ブロワ」警部の部下、「イアン」と「エバン」が手を繋ぐ由来
⇒第二話 黒の僧侶は祈りを捧げる
・「ブロワ」警部が「グラフェンシュタイン」の「ビスクドール」を収集(愛好)するようになった由来(というか契機)
⇒第三話 黒の女戦士は駆け抜ける
また、事件ネタがなかったのか、ファンタジー的な妄想ショート(第五話 忠臣たち)・・・・・・まあ、事件の真相を惑わすというか、幻想的な雰囲気を付与するのに良く使われる手だけど、今回は何の意味があったのやら。
(その他、誘拐された少年の意識朦朧の証言の謎に秘められた真相を暴く「第四話 騎士はちいさな姫にかしずく」などあり。)
ボリューム的にはちょっと不十分ですが、話の合間合間に描かれた「ヴィクトリカ」と「一弥」の関係、その進展具合は最終編へと続く良い橋渡しとなっているかな。
さて、最後に今まで読んだシリーズ感想(過去記事)へのリンクを──。
『GOSICK─ゴシック─』
『GOSICKⅡ─ゴシック・その罪は名もなき─』
『GOSICKⅢ─ゴシック・青い薔薇の下で─』
『GOSICKⅣ─ゴシック・愚者を代弁せよ─』
『GOSICK s─ゴシックエス・春来たる死神─』
『GOSICK sⅡ─ゴシックエス・夏から遠ざかる列車─』
『GOSICKⅤ─ベルゼブブの頭蓋─』
『GOSICKⅥ─仮面舞踏会の夜─』
『GOSICK sⅢ─ゴシックエス・秋の花の思い出─』
GOSICKⅦ・・・未読
(本書)
『GOSICKⅧ 上─ゴシック・神々の黄昏─』
(記:スッタコ小僧)
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