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2011年5月15日 (日)

【書籍】『西巷説百物語』読破

 「京極夏彦(きょうごく・なつひこ)」著、東に「御行/小股潜りの又市」にいれば、西には「帳屋/靄船(もやぶね)の林蔵」あり。
人間の闇に潜む"妖怪"を炙りだす、必殺仕事・・・・・・詐欺人達が織りなす事件簿を描いた【妖怪・時代・推理小説】です。(しまった・・・・・・第四弾、まだ読んでいなかった。)

 タイトルの妖怪についての情報は見出し裏の絵と数行の説明、そして登場人物達の台詞にて必要最小限に語られるのみ。
しかも、本作まで来ると殆ど聞いた事のない妖怪の名前ばかり
しかし、読み終わった後、その姿、知識、そして印象が強烈に記憶づけられる──人の性/業を描く著者流【人間=妖怪物語】、流石です。

 作品の中には序盤を読んで真相に到達してしまう内容もありましたが、まだまだ結末での驚きは健在です。

「又市」とは異なり、「林蔵」の優しさか、最後の最後に確認する《ファイナルアンサー!?》(の問い合わせ)あり。
しかし人の業は深いのか、結局は「これで終いの金比羅さんや──」の一言で閉められる最後。
今作も楽しませてくれました、作品が続いてネタがなくなってしまうのを心配しているのですが・・・・・・著者なら本当に"百"、やってくれるかも。(逆にタイトルが足りなくなる!?)

 さて収録されている"妖怪"は以下の通りです。

○「桂男(かつらおとこ)」
 大店から持ち掛けられた縁談話。
しかし、相手の男、そして店には結婚を機に相手を乗っ取る不穏な噂が・・・・・・。

○「遺言幽霊 水乞幽霊」
 目覚めたら直前の数ヶ月の記憶がなくなっていた・・・・・・。
仲違いをしていた父親も死んでしまったことを聞いた男は・・・・・・ほくそ笑む!?。

○「鍛冶が嬶(かか)」
 妻が笑わなくなったという鍛冶屋。
話を聞くととても良い"夫"ぶりなのですが・・・・・・。

○「夜楽屋(よるのがくや)」
 八年前の騒ぎが再び!?。
渾身の人形劇後、楽屋に赴くと──。

○「溝出(みぞいだし)」
 疫病にて過去に地獄を見た村。
村を救う為、鬼になった男と逃げた庄屋の息子。
幽霊達の声が聞こえ始めた時、過去の真相が暴かれる!!。

○「豆狸」
 微々たる額だが勘定が合わない・・・・・・。
不審に思った主は、毎日、お酒を買いに来る小僧の話を聞く・・・・・・果たして、人間、それとも豆狸!?。

○「野狐」
 "東"のゲスト出演多数、豪華おまけのボーナストラック(書き下ろし)です。
内容は読んでのお楽しみ。

 さて、最後の本シリーズの感想(過去記事)へのリンクを──。
(※第四弾『前巷説百物語』はまだ読んでいません。)

『巷説百物語』
『続巷説百物語』
『後巷説百物語』

(記:スッタコ小僧)

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