【書籍】『ヴェサリウスの柩』読破
「麻見和史(あさみ・かずし)」著、第16回鮎川哲也賞受賞作、大学の解剖学教室を突如襲った19年前の"爆弾"が引き起こす事件を描く【推理小説】です。
"爆弾"と記載していますが、その実体はチューブに収められていた脅迫状です。
しかし、その出現の仕方が人々の心に衝撃を与える・・・・・・解剖実習の遺体から取り出されたチューブ。
腹にかなり昔の手術痕、手術時の置き忘れかと思われたのですが──中から、解剖学教授宛ての脅迫状が!?。
といった具合にとても興味を惹く導入部、"つかみ"はバッチリです。
そしてその"つかみ"部分の謎を納得させる真相披露と「流石は受賞作」と感じる作品です。
ただ少し欲を言えば、物理または心理トリックの一つや二つが欲しかったなぁ・・・・・・。
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「アンドレアス・ヴェサリウス」──近代解剖学の父、主著『ファブリカ』(『人体の構造についての七つの著』)。
「ヴェサリウス」のデッサンが飾られた解剖学研究室。
その研究室の教授、「園部」教授を脅迫文が届く・・・・・・解剖実習に使用した遺体の腹の中から。
遺体の腹の手術痕からかなり昔に埋め込まれたモノ、まさに時限爆弾。
「園部」教授までに届く"不確実さ"に研究室の面々は不気味な"執念"を感じ取る──。
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(記:スッタコ小僧)
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