【書籍】『迷宮のファンダンゴ』読破
「海野碧(うみの・あお)」著、自動車修理工場を営む「大道寺勉(だいどうじ・つとむ)」(通称:ベン)が過去の女性絡みで巻き込まれる事件を描く、【ハードボイルド】小説です。
前作の「日本ミステリー文学大賞新人賞」受賞後の第一作、正念場となる作品──前作と同じ人物を主人公にそえて、さて、どんな按配かと思いきや・・・・・・
~どうしてしまったのだろう。~
・タイトルの「ファンダンゴ」(フラメンコの演目の一つとの事)は、全く際立っていないし、タイトルの由来となる部分は、まるで取ってつけたよう。
・過去はどうであれ、今は小さな自動車修理工場の社長が遭遇するにはスケールが大きくなり過ぎた事件。
・大きな謎があるかと思いきや、捻りおよび驚きのない直球の真相。
「大道寺勉」シリーズの根底に流れる一貫したコンセプトには好感を受けましたが、それ以外は前述通り「どうしちゃったの?」との呟きが漏れるのみ。
愛犬「ケイト」との微笑ましいやり取りや危機からの脱出は楽しめましたが、いまいち「ただ流されている」or「惰性で反応している」とも取れる主人公の態度に、読んでいる側が煮え切らない。
"飄々"とはいかないまでも、こんなに"淡々"とした男だったけ・・・・・・。
残念──また、読み進めるべきシリーズが出来たかなと思ったのに。
さて、最後に前作の感想(過去記事)へのリンクを──
(記:スッタコ小僧)
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