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2010年8月 7日 (土)

【書籍】『ねこのばば』読破

 「畠中恵(はたけなか・めぐみ)」著、病弱"若だんな"と取り巻き妖怪達が遭遇する事件を描いたシリーズ第三弾、短編集です。
本シリーズはテレビで放送されたドラマ化にて知りました。
異色の設定としっかりした【推理】に気になっていた作品であり、今回、一冊、手に取ってみました。

人間が引き起こした事件より、垣間見える人の闇──人の恐ろしさが伝わる作品です。
また、"若だんな"の命が妖怪に!!──の驚愕の話もあり、人・妖共に読み逃せない!?作品となっています。
事件の闇は深いですが、"若だんな"と(甘甘の)妖怪である手代二人のやり取りによる"ほっこり"感がいい中和剤となっています。

○「茶巾たまご」
 珍しく元気な"若だんな"。
さては『福の神』があるに違いないと要因を探すのですが見つからず。
そんな中、"若だんな"の兄に縁談話──その相手が急死!?、いやその姉が奇妙な死に方を。

○「花かんざし」
 お祭りにて遭遇した少女「於りん」。
小鬼(=「鳴家(やなり)」)が見え、"若だんな"についてきてしまった。
"若だんな"の両親は娘が出来たと大喜び。
しかし、やがて身元が判明し、家に届けると・・・・・・その家に纏わる不穏な噂、やがて「於りん」に危機が迫る。

○「ねこのばば」
 「見越の入道」に貰った『桃色の雲』がなくなり意気消沈の"若だんな"に猫又「おしろ」からの依頼あり。
妖怪封じで有名な「寛朝(かんちょう)」がいる広徳寺に猫又になりかけの子猫「小丸」が囚われた、助け出して欲しいと。
寺に向かった"若だんな"一向が遭遇したのは・・・・・・殺人事件!!。

○「産土」
 犬神「佐助」の悲しい話。
「鬼も仏も手づくねして」との書付と一緒に店の銭箱に入れられた金子。
妖の仕業に違いない、そして妖が代償を要求しない訳はないと店、"若だんな"を守る為、奮闘する「佐助」でしたが・・・。

○「たまやたまや」
 幼馴染、隣のお菓子屋「三春屋」の「栄吉」の妹「お春」に縁談話。
妹のように思っていた「お春」──その縁談相手を見ようと一人(いや、「鳴家」が一緒)で出かけた"若だんな"。
縁談相手の「庄蔵」と一緒に何者かに捕まってしまう。

(記:スッタコ小僧)

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