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2010年8月 7日 (土)

【書籍】『モップの精は深夜に現れる』読破

 「近藤史恵(こんどう・ふみえ)」著、清掃社員「キリコ」が活躍する【推理小説】、短編集です。
英語の教材のイラストのような著者の作品にしては目を引く表紙、図書館にて著者の棚に同系統のタイトルが複数あった事から、新たなシリーズ物かと手に取りました。
一番、発行日が古い作品を手に取ったのですが・・・・・・『天使はモップを持って』の前作があることを知りました。
でも、前作を読んでいなくても楽しめる作品となっています。

 著者の作品は確かまだ一冊しか読んでいませんが、持ち味(!?)である社会の暗部、問題を抉る著者の視点は本作でも効果的。
けれでも、ヒロイン「キリコ」の溌剌さに"さっぱり"、暗く終わるのではなく、頑張ろうとの意欲を残す作品となっています。

~どうやら、読み続けたいシリーズの一つになりました。~

○「悪い芽」
 部下、娘、新しくくる部長との関係に悩む中年課長。
お昼、居場所がなく会議室の一つでコンビニおにぎりを食べようとした時、奇抜な衣装の女性に出会う。
えっ、清掃員!?、なんだその格好はと怒鳴ってしまった課長・・・・・・それが不思議な女性「キリコ」との出会い。
やがて、「キリコ」の指摘により、社内に漂い始めた重大な事項に気づく!!。

○「鍵のない扉」
 「くるみ」という名前にコンプレックスを持つ出版社で働く女性。
取引先の付き合いの飲み会からの帰り、財布をなくした事に気づく・・・・・・仕方なく会社に泊まった朝、「キリコ」に出会う。
やがて、その出版社の女性社長が自宅で死亡しているのが発見される・・・・・・強度の猫の毛アレルギーからの喘息、自宅に入り込んだ猫が原因と思われたが。

○「オーバー・ザ・レインボウ」
 彼氏の二股を知り、失恋に沈む女性。
屋上で悲しみを暮れていると・・・・・・えっ、屋上の扉が開かない、普段は閉めないのに!?。
ダブルパンチに泣き崩れ、ドアに八つ当たりしていると・・・・・・「キリコ」登場です。
やがて彼氏の二股相手に陰湿な嫌がらせが・・・・・・身に覚えがないのに現場には女性に紐づく手掛かりが。

○「きみに会いたいと思うこと」
 義母の介護疲れ!?、「キリコ」が突然、旅に出た!!。
いなくなって募る想い、「キリコ」は戻ってくるのか、また旅の真相は。

(記:スッタコ小僧)

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