【書籍】『デルフィニア戦記 第Ⅳ部 伝説の終焉 4・5・6』再読
「茅田砂胡(かやた・すなこ)」著、元放浪の戦士「ウォル」と異世界の少年⇒王妃「リィ」の英雄&戦女神伝説の幕引きです。
東の大国─武勇に優れる「タンガ」、西の大国─知略・謀略に優れる「パラスト」、その挟撃にあった中央の大国「デルフィニア」、最後の戦いです。
第4巻の新書版のタイトルが『伝説の終焉』・・・・・・その不吉なタイトル通り、本作では《妃殿下が「タンガ」に捕縛》の大ピンチの展開が待っています。
初読の時はそんな展開が待っているとは思いもせず、前巻の「デルフィニア」快勝から続けて読んで"ガツン"と来た巻です。
なので、今回の再読時にはなかなかこの巻には手を伸ばせなかった・・・・・・でも流石、読み始めると止まらず、5巻、6巻とついに読了(再読完了)です。
まあ、第4巻はそんな《妃殿下・天下無双伝説》崩壊の危機でハラハラ終了ですが、元「ファロット一族」暗殺者である「シェラ」の最終決戦──「シェラ」の"これから"、今後を決定づける戦いが描かれています。
第4巻の主役は、"銀の月"「シェラ」であると言って良い程に。
加えて、ついに"闇"、「リィ」の【異世界の相棒】「ルウ」が登場です。
第5巻の前半は王妃奪還"大"作戦・・・・・・いや、王妃奪還"決死"作戦。
相棒を助ける為、【現世界の相棒】「ウォル」が王冠を捨て、敵地へ乗り込む!!──熱い展開が待っています。
後半は「ルウ」大活躍、「リィ」の"剣のお師匠さん"──実力発揮です。
いよいよ「タンガ」と決着・・・・・・まあ、真っ正直な戦いのみを好む潔癖症には、ちょっと「うーん」となる"奸計(かんけい)あり"の勝利ですが。
第6巻の「パラスト」との戦いは「タンガ」との戦いと比較すると拍子抜け・・・・・・でも、この【最終巻】の醍醐味は戦いではないので。
"別離"が悲しすぎる・・・・・・最後の「リィ」の描写、良かった。
そして、終章の演出──心憎いです。
初読の時は謎が必ず解決される推理小説を愛読していたせいか、「リィ」の不思議な力とやってきた異世界についての謎が完全に明かされなかったのが不満でした。
でも、今回はその点は全く感じませんでした。
まあ、後に続くシリーズ、また現在継続中の新シリーズにて、いくつか解明した点があり、その知識があっての本作再読だったからかもしれません。(でも、まだ全ては明かされていないし・・・。)
~読み始めたら止まらなくなり、また何度も再読したくなる作品──とても貴重です。~
再読時は文庫版にしましたが、当初、本シリーズを手に取ったのは新書版の表紙絵の役割が"大きい"です。
なので、文庫版では全く絵(挿絵含む)がなくなっていまっている点がとても残念でした。
持ち歩くには良いのですが・・・・・・まあ、絵を無くした事で、間口が広がる(手に取られる確率が上がる)点は幾らかあると思うので仕方ないのかな。
最後に『デルフィニア戦記』シリーズの感想(過去記事)へのリンクを──
『デルフィニア戦記 第Ⅰ部 放浪の戦士1』
『デルフィニア戦記 第Ⅰ部 放浪の戦士2』
『デルフィニア戦記 第Ⅰ部 放浪の戦士3』
『デルフィニア戦記 第Ⅰ部 放浪の戦士4』
『デルフィニア戦記 第Ⅱ部 異郷の煌姫1』
『デルフィニア戦記 第Ⅱ部 異郷の煌姫2』
『デルフィニア戦記 第Ⅱ部 異郷の煌姫3』
『デルフィニア戦記 第Ⅲ部 動乱の序章 1』
『デルフィニア戦記 第Ⅲ部 動乱の序章 2』
『デルフィニア戦記 第Ⅲ部 動乱の序章 3』
『デルフィニア戦記 第Ⅲ部 動乱の序章 4』
『デルフィニア戦記 第Ⅲ部 動乱の序章 5』
『デルフィニア戦記 第Ⅳ部 伝説の終焉 1』
『デルフィニア戦記 第Ⅳ部 伝説の終焉 2』
『デルフィニア戦記 第Ⅳ部 伝説の終焉 3』
『デルフィニア戦記 第Ⅳ部 伝説の終焉 4』(本記事)
『デルフィニア戦記 第Ⅳ部 伝説の終焉 5』(本記事)
『デルフィニア戦記 第Ⅳ部 伝説の終焉 6』(本記事)
『大鷲の誓い デルフィニア戦記外伝』
(記:スッタコ小僧)
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