【書籍】『誘拐殺人事件』再読
「ヴァン・ダイン」著、名探偵「ファイロ・ヴァンス」が活躍するシリーズ第十作です。
未読だった(?)第七作目の『ドラゴン殺人事件』から読み進めて、残すは二冊・・・『グレイシー・アレン殺人事件』と『ウインター殺人事件』となりました。
(記憶が定かであれば、『グレイシー~』は未読、『ウインター~』は一回読んでいます。シリーズ前半の作品には更に何回も再読している作品もあります。)
さて、今作の内容はタイトルから分かるように事件は【誘拐】です。
賭け事、酒飲みの自堕落な生活にて【妻】にも迷惑をかけている旧家の【夫】が、ある朝早くいなくなっているのを【妻】が見つけます。
部屋には身代金を要求する【脅迫状】が・・・・・・。
事件の表面は一見、お金に困っていた【夫】の自作自演とも思われますが、「ヴァンス」は呟く──「彼はもう死んでいるかもしれない。」
「ヴァン・ダイン」の著作も「カーター・ディクスン」(「ディクスン・カー」)と同様に《有名すぎる》事が原因か、先に読んでいないと《類似のトリック》を扱った作品にぶつかってしまう──。
しかも本命の謎の<目くらまし>や前座扱いで披露されてしまっていた場合には・・・・・・。
初めて本シリーズを読んだ時の私も第二作目の『カナリヤ殺人事件』では、正直、明かされた「トリック」に拍子抜けしたクチです。
けれどもこうして本シリーズは何回も読み返している・・・・・・読み返すと当初の意外な犯人の驚きに加えて、「ヴァンス」の犯人を追い詰める【手腕】、その推理の到達過程が<じわじわ>と染み込んできて前回読んだ時とはまた違った読了感を与えてくれます。
読めば読むほど「穴(欠点)」ではなく、逆に細部まで念入りに考えられている点を思い知らされる──流石だなあ。
作品名 |
ベンスン殺人事件 |
カナリア殺人事件 |
グリーン家殺人事件 |
僧正殺人事件 |
カブト虫殺人事件 |
ケンネル殺人事件 |
ドラゴン殺人事件 |
カシノ殺人事件 |
ガーデン殺人事件 |
誘拐殺人事件 |
グレイシー・アレン殺人事件 |
ウインター殺人事件 |
(記:スッタコ小僧)
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