【書籍】『中空』読破
「鳥飼否宇(とりかい・ひう)」著、第21回横溝正史ミステリ大賞の優秀賞を受賞した【推理小説】です。
周りに茂る竹に生計を立て、「荘子」の思想に従っている村人・・・・・・。
七世帯もの少人数にてほぞぼそと暮らす「竹茂(ちくも)村」──。
めったに見られない竹の花を目指して村を訪れた写真家「猫田夏美(ねこた・なつみ)」と友人に「竹取物語の旅」との伝言を残し、ついてきた大学時代の先輩─「鳶山(とびやま)」。
山奥深い閉鎖された村にて、首切り殺人事件発生──そして立て続けに事件が巻き起こる展開です。
事件が起こるまで若干、長いのですが、一旦事件が起こると止まる事なく、一気に<転がり>始める内容となっています。
おどろおどろしい展開と思いきや・・・・・・確かに事件は陰惨なのですが、村人を含めた登場人物、主な視点(「ワトソン」役)となっている「猫田夏美」の性格が明るい事が影響しているのか「横溝」作品にあるおどろおどろしい雰囲気がありません。
上記の雰囲気を期待していると若干、拍子抜けです。
でも【謎】解き、特に犯人当てとしては十分な出来です。
村人を含めた少人数の中からの<犯人探し>──「誰が/何の為に」といった点に主眼がおかれています。
「荘子」や「竹取物語」の知識披露が良いアクセントになっています。(「竹取物語」・・・「高田崇史」著の『QED』シリーズを思い出しました。)
「荘子」については私が不勉強なため馴染みが薄くて、知識披露部分について「長いなあ、早く先に進まないかなあ」と感じてしまいましたが。
(記:スッタコ小僧)
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