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2008年8月24日 (日)

【書籍】『渇いた季節』読破

 「ピーター・ロビンスン」著、『アラン・バンクス首席警部』シリーズの第十作目です。
本書の「解説」にも記載がありますが、本書一冊で<十分>楽しめます。
シリーズを読んでいなくても、<十分>なぐらい登場人物達について描ききっています──

 犯人の追及より、事件の背景、登場人物達の心理(捜査側含む、事件以外にも家庭の事情についても含む)

に重点を置いた内容、ボリューム大の作品です。

私は講談社文庫で出版されている第八作『誰もが戻れない』しか読んでいません──それもかなり以前に。
後述していますが、創元推理文庫の方でシリーズ第一作目からいくつか出版されているようです・・・・・・やはり「バンクス首席警部」初登場(デビュー作)も気になりますのでいつか読んでみようと思います。

 さて本書内容ですが

猛暑にて干上がった貯水池──50年前に沈められていた村から白骨死体が見つかります。

上司により窓際に追いやられていた「バンクス」・・・・・・嫌がらせにて休暇を返上して事件を押し付けられます。

死体発見のニュースに怯える女性推理小説家・・・・・・
白骨死体の村に住んでいたある女性の手記形式にて綴られる50年前(戦時中)の村・・・・・・
別居中の「バンクス」、音楽の道へ転身した息子の進路について頭を悩ませる・・・・・・
一緒に捜査を担当する事になった魅力的な女性「アニー・カボット」部長刑事、何やら過去に・・・・・・

などなど事件一辺倒ではなく、色々な背景、問題を織り交ぜながら進んでいきます。

 事件の真相は正直言って「う~ん」と私は頭を捻りましたが、そこに重点のある作品ではないので。
たまに読むには良い形式かな──。

表.バンクス首席警部シリーズ
NO 作品名 作品名
(邦題)
備考
01 Gallows View 罪深き眺め 創元推理文庫
02 A Dedicated Man 夏の記憶 創元推理文庫
03 A Necessary End 必然の結末 創元推理文庫
04 The Hanging Valley 夢の棘 創元推理文庫
05 Past Reason Hated
06 Wednesday's Child 水曜日の子供 創元推理文庫
07 Dry Bones that Dream (米)Final Account
08 Innocent Graves 誰もが戻れない 講談社文庫
09 Dead Right (米)Blood at the Root
10 In a Dry Season 渇いた季節 (本書)
11 Cold is the Grave
12 Aftermath
13 The Summer That Never Was (米)Close to Home
14 Playing with Fire

(記:スッタコ小僧) 

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