【書籍】『トポロシャドゥの喪失証明』読破
「上遠野浩平(かどの・こうへい)」著──んっ【長編新伝奇小説】?、確かに良く分からない点が【新】とつく理由かもしれませんが。
『ソウルドロップ彷徨録』・・・他人には何でもない品物でも当事者にとっては《生命と同等の価値のモノ=キャビネッセンス》、盗まれると死んでしまう未だ正体が掴めないモノ。
上記を盗む謎の怪盗/殺人者?「ペイパーカット」──彼自身、《キャビネッセンス》とは何かを盗む/観察する事により研究しているようなのですが・・・。
怪盗に目を付けられた人々、そして怪盗を執念深く追う「サーカム保険会社」のコンビ・大企業グループ「東澱(ひがりおり)」の令嬢などなど絡めて物語は進んでいきます。
今回は「位相幾何学(トポロジー)」の名を持つ前衛的なガラス工芸品・・・「トポロス」を製作する【女性工芸家】の姉が展示会場で不審な死を遂げます。
催事場の保険を引き受けていて事件に巻き込まれる【損保マン】を中心にまたしても「ペイパーカット」の《実験開始》でしょうか?。
ここまで色々書いてきて用語がたくさん飛び交っていますが、読んで直ぐ感じる印象は
《希薄》
の一言です。
登場人物、事件、展開共に《希薄》・・・本シリーズ全体を通して、この印象が抜けません。(そこが変な魅力に感じる事も時々あるのですが。)
著者の意図を読み取ろうなどと言った事は考えてもいませんが、なんだろう・・・物語としては一応まとまっているのですが、この読後感は──。
ボリュームも少ないため、しばらくは本シリーズ付き合っていこうと思います。
でも明らかにシリーズ未読者は置いてけぼり、シリーズを読んでいる人にとっても着いていくのがやっとと言うか、私は着いていけてるのかなあ(周回遅れ?)。
(記:スッタコ小僧)
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