【書籍】『女が見ていた 新版 横溝正史全集9』読破
タイトルの(名探偵「金田一耕助」は登場しませんが)中編のほか、ショートショートと「金田一耕助」が登場する短編三編を収録した作品です。
解説の「中島河太郎」氏も記載していますが、表題作の『女が見ていた』は読んでいるとその設定/流れより「ウイリアム・アイリッシュ」著の『幻の女』を思い起こさせます。
前回読んだ『夜歩く』(『びっくり箱殺人事件 新版 横溝正史全集7』収録)と同様にやはり外国作品を意識しているのでしょうか・・・。(特に不思議な事ではないのですが、世代[生きていた時代]の異なる方と同じ作品を読んでいる事に奇妙な感覚を覚えます──この著者も読んでいたんだあの本・・・と。)
さて各作品の説明を・・・
■『女が見ていた』
妻と喧嘩し飛び出した【作家】・・・見知らぬ【女性】からの奇妙な視線を感じます。
飲み歩き、ついには酔いつぶれて、家に帰宅すると・・・・・・
妻が自分の名前を騙った何者かに呼び出されて、殺害されていました──しかも、自分が飲み歩いた店の一軒にて・・・。
アリバイを立証するには自分をつけまわしていた【女性】(達)を探し出すしかない。
と【作家】の友人が奮闘する作品となっています。
前述の『幻の女』とは、上記の設定(展開)部分が似ているだけでその後は全く異なる展開となってきます。
サスペンス要素はあるものの謎解き要素が薄い作品です。
■『生ける人形』
ショートショートです。
ある【女性】が突然、面識がないと思われた【男性】を・・・。
【女性】の告白──不思議話と思いきや・・・・・・。
■『女怪』
「八ツ墓村」後、ある【女性】に恋した「金田一耕助」・・・【女性】の過去に起因した脅迫/殺人事件へと。
私が忘れているだけなのかな・・・恋する「金田一耕助」──意外です。
■『百日紅の下にて』
今回は読み飛ばしてしまいました・・・何故なら、再・再・再読ぐらいになるからです。
衝撃/印象的な長編は細かい内容を忘れているため、いくら再読しても気にならないのですが、ボリュームの少ない短編となると。
でも内容を覚えているって事は、それだけ印象的な作品──トリックが凄いのか・・・・・・う~ん、でもないんだけど何故なんだろう、タイトルおよび内容をハッキリ覚えています。
「金田一耕助」、探偵デビュー直前の話?・・・に該当するのかな。
■『鴉』
「磯川」警部に連れられて「金田一耕助」、【温泉】へ。
でも「磯川」の狙いは三年前に発生した《人間消失》・・・その現場には三年後に戻ってくるとの手紙があり、《消失》から丁度、三年目の日が近づいて・・・。
ちょっと印象に残った作品が少なかったかなあ・・・メインの中編『女が見ていた』についての読み手の好みが影響していると思うのですが。
(記:スッタコ小僧)
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