【書籍】『邪魅の雫(じゃみのしずく)』読破
「京極夏彦」著、《憑物落とし》を行う【古書肆(こしょし)】「中禅寺秋彦」(屋号から「京極堂」と呼ばれる)が活躍する【妖怪・探偵/推理小説】です。
前作『陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず)』が私の中では「ちょっと・・・いただけない。」といった印象を持った作品だけに本作は、今後もこのシリーズを読み続けていくかの岐路となる(私にとっては)《重要》な作品となりました。
結論から言うと、《本シリーズ、今後も益々楽しみです。》
読んでいてその【雰囲気】および【事件の内容】、【登場人物】などなどから、物語内で徘徊する《妖怪》が見えてくる本作の醍醐味が溢れている作品です──特に今回は、その正体が分かり易く描かれていました。(前作の「陰摩羅鬼(おんもらき)」は、今思い返してもどんな特徴を持った《妖怪》だったか思い出せない・・・形態は鳥だったような気がするけど。)
いつも読んでいる作品と比較するといつも通りボリューム<大>なのですが、「グイグイ」読み進める事ができました。
初めは複数人の視点から描かれ、情報量が多くて【登場人物】・【相関関係】を自分の中でまとめるのに四苦八苦しましたが、そこが《狙い目》なのか本作──だんだんと読者の方にて関連が見えてくるに従って、人間の中に蠢く今回の【邪魅(じゃみ)】という《妖怪》の存在が感じられるようになってきます。
そして終盤一気に「京極堂」によって《明かされる/落とされる》【(各々の)世界】・・・前作では【推理小説】部分にて「ちょっと・・・~」と感じたのですが、今回は【推理小説】部分も「バッチリ」です。
次々と発生する連続毒殺事件・・・犯人側の視点を読んでいる読者にも、事件全体像が見えてこない・・・まして作中の警察・探偵(助手)に至っては本当に五里霧中となる事件発生です。
いつもの【探偵】(「榎木津」)、【警察】(「木場」)の活躍が残念ながら少ないのですが、代わりに
【探偵(助手)】「益田」、【警察】(「木場」と一緒に降格した)「青木」、そしていつも通り【小説家】「関口」の三者が活躍といかないまでも前面で頑張っています。
(記:スッタコ小僧)
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