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2008年5月 9日 (金)

【書籍】『双面獣事件』読破

 「二階堂黎人」著、名探偵『二階堂蘭子』シリーズの【推理小説】ではなく【怪奇・冒険小説】です。

 私の感想はまさに《【推理小説】ではなく【怪奇・冒険小説】》の一言につきます。

 【双面獣】・・・名前の通り「顔が2つ」で手は4本、足は2本の怪物、2つの村を壊滅状態に陥れます。
数少ない生き残った人の証言より、

・目から発する光線で人を焼き殺す
・口から吐く黄色い息で皮膚を爛れさせ、死に至らしめる
・神出鬼没

などなど想像を絶する能力を持っています。

 果たして「この荒唐無稽な怪物にどんな論理的な解決/解答があるのか。」と期待しつつ読み進めていたのですが・・・

「え~っ嘘、これが解答・・・というより、そのまんまじゃないか。」
「いや、絶対に別の解答が最後に用意されているはず・・・じゃないと。」

最後の最後まで「どんでん返し」があるのではと一縷の望みを抱いて、読み進めていったのですが・・・

「・・・。」

願わくは本作はかの大長編『人狼城の恐怖』の「第一部ドイツ編」・「第二部フランス編」に相当するモノだと思いたい、《解決編は別にあるんだぞ》と・・・。

前作の『魔術王事件』はトリックが分かってしまったため、私の中で評価は低かったのですが、本作と比較すればまだ【推理小説】であっただけ良かったと思います。
本シリーズ、別に【怪奇・冒険小説】を読みたくて手に取っているわけではないので・・・。
 「迷宮計画」の真相解明がメインの【謎】というにはちょっと・・・あまりにも「ありふれた真相」です。

(記:スッタコ小僧)

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