【書籍】『六月はイニシャルトークDE連続誘拐』再読
「霧舎巧」著、『私立霧舎学園ミステリ白書』シリーズ第三弾です。
毎回、色々と面白い《趣向》を凝らしており、感心するのですが・・・。
若干、今回は【色々と盛り込みすぎ】です。
【盛り込みすぎ】と言うよりは、《他作品の事件・登場人物を絡ませすぎた》と言う方が適切でしょうか。(本作は【完全独立】で良いと思うのですが・・・。)
上記が影響して、いつもは読了後【スッキリ】するのですが《他作品の事件・登場人物》部分が引っかかり、消化不良です。(『《あかずの扉》研究会』シリーズだと思うのですが・・・。好きなシリーズであり、読んでいるのですが忘れています。)
せっかくの【(ヒロイン)「琴葉」の父親】も、初登場なのに霞んでしまっています。(まあ、後の作品に登場していない事から分かるようにあまり魅力ある設定の人物ではありませんでした・・・インパクトもなかったし。)
本作のあらすじを簡単に説明すると
1)四月、五月の事件を記載した本が図書館に
2)上記より【図書委員】が【ヒロイン】(「羽月琴葉」)を訪ねてきて
3)【探偵】(「小日向棚彦」)と共に図書館へ
4)「羽月琴葉」が図書館を離れた隙に
図書館にいた【司書】
前述の【図書委員】
残った【探偵】
⇒《誘拐》へ
5)そして、【ヒロイン】も《誘拐》されて・・・
本当に突然の展開です。(ページ数(ボリューム)の関係もあると思うのですが・・・。)
最近流行りの「ジェットコースター・サスペンス」的な展開・・・と思いきや、全体的に《緊迫感》がありません。
本作で読者に解かせたかった「トリック(謎)」の【内容】および【解決】はしっかりしています。
ただし、その【提示】に《「難」有り》です。
犯人の狡猾な【奸計】(名探偵が解くべき【謎】)部分が少し分かりづらかったです。(加えて、【奸計】を張り巡らす要因となった事件の扱いがあまりにも《小さい》。)
「・・・。」の記載が多くなったように、「ちょっとここは・・・」と思う部分が多々見られた作品でした。
(記:スッタコ小僧)
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