【書籍】『四月は霧の00(ラブラブ)密室』再読
「霧舎巧」著、『私立霧舎学園ミステリ白書』シリーズの記念すべき(?)第一作の【本格(?)、学園恋愛(?)、ミステリ小説】です。
今年(2008年)になって読破した『十月は二人三脚の消去法推理』にて、「これは過去作品を読み直さねば・・・。」と思っていました。
上記作品の記事にも記載しましたが、私の中では「霧舎巧」著の作品にしては「正直、どちらというと好きではない。」位置づけになってしまっています。
本作を再び読んで、その原因の一端が分かったような気がします。
要するに、本第一作目の《第一印象が悪かった》点が多大に影響しているのではと感じました。
タイトルに含まれる
1)【霧】
2)【00(ラブラブ)】
3)【密室】
の「キーワード」が全く《活きて》いないからです。
上記3)の「キーワード」は【期待を裏切られる】事が多いので、本作でも多大な期待はせずに読んでいましたが・・・
高校二年生・転校生「羽月琴葉(はづきことは)」は始業式当日に遅刻、学校の噴水にて【(探偵?・恋愛?の)運命の出会い】
・同年「小日向棚彦(こひなたたなひこ)」
・先輩「頭木保(かしらぎたもつ)」
そして、【新任教師の死体】
と遭遇してしまいます。
死体となった【新任教師】は体育館で開催されていた始業式に出席しており、体育館はある伝説を実行する生徒を抑止するため《「出入り口」が監視状態》でした。
一体、この【密室=体育館】からどうやって《出て行ったのか》・・・・
という《謎》となっています。
まあ、上記を【密室】というかは別として本内にたいそう立派な「学校見取り図」「体育館見取り図」「タイムスケジュール表」を挿入しているわりには、その《トリック》に失望です。
【密室】がメインの推理小説ではないと言われたらそれまでですが、ではこのタイトルは・・・。
上記1)は脇役以下で登場、2)は最後に「こじつけ」・・・と《タイトルが意味を成していません。》(「タイトル」がその本の全てではないのですが・・・。)
最大のネックは、犯人が「○○犯」ではなく、「□□犯」だった事です。
頁数が少ないからしょうがないのか、後半にいきなり△人も登場させられても・・・。
「トリック」的には決して【偶然】に頼らず【論理】的・・・フェアです。
でも、個人的には少し【不思議】・【怪奇】・【サスペンス】色など、冗長ですが「ちょっとした遊び心というか装飾?」を挿入しても良かったのではないかと思います。(頁数の問題?)
(記:スッタコ小僧)
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