【書籍】『天帝のはしたなき果実』読破
第35回メフィスト賞受賞の「古野まほろ」著、《本格・変格・青春・幻想・空想科学》の【推理小説】です。
久しぶりにある程度「ボリューム」のある作品を読みました。最近は薄い本ばっかりだったので・・・。
■【青薔薇】が登場する所
■(終盤)一つの事件に対して、複数の登場人物による色々な推理披露
など「有栖川有栖」氏が記載しているように「中井英夫」著の『虚無への供物』を意識しているようですが、以下の点から私は「小栗虫太郎」著の『黒死館殺人事件』の方を強く思い出しました。
1)文体
2)全体に漂う雰囲気
3)様々な知識が散りばめられている点
4)様々な【推理小説の要素】が散りばめられている点
そんな所まで似なくていいのですが、正直【読みづらい】です。
「これでもか!」というくらい色々な知識が披露されます。
本書の『天帝のはしたなき果実』は、物語の中に出てくる【曲】名です。
主人公「古野まほろ」[学生]達は「吹奏楽部」所属で、上記【曲】にて「全国大会」を目指しています。(ここに《~・青春・~》が絡みます。)
従って、また「音楽」に対する用語も[ポンポン]飛び出してきます。(その知識は推理にはあまり必要ではありませんが・・・私はその方面には疎くて、この点も【読みづらい】と感じた事へ大きく影響しています。)
中盤まで事件が発生せず《青春》メインに話が進む点も、どちらかと言えば「せっかち」な私には少しつらかったです。
発生する事件の《表面》は古今東西に見られる推理小説と比較してあまり突飛な内容ではありません。
ただ、前述の4)に記載したように
・首切り殺人
・暗号
・ダイイングメッセージ
などなど定番の【推理小説の要素】が盛りだくさんです。(特に「ダイイングメッセージ」にはしてやられました。)
本書に描かれている時代は昭和60年代でしょうか・・・ただ、「パラレルワールド」に近い世界です。(「if」の世界・・・。)
世間の風潮からか、本書でも『機動戦士ガンダム』ネタが炸裂されています。(『機動戦士ガンダム』が好きな女学生が「吹奏楽部」にいて、会話に織り交ぜている。)
最近アニメの方でも多いのですが、ついにこのような【推理小説】にまで進出でしょうか・・・。
トリックは論理的・・・オーソドックスで奇抜な所はありません。「読者への挑戦状」(?)を挟んでいるのも頷けます。
際立った点があるとすればその【世界】・【動機】などでしょうか。
(記:スッタコ小僧)
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