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2007年7月16日 (月)

【アニメ】『ゲド戦記』を見た

 「宮崎吾朗」氏の初監督作品となる「スタジオジブリ」の最新作です。

 「ジブリ」作品は結構、映画館に足を運んで見ていたのですが、昨年から諸事情により映画館には出向かなくなり、DVDレンタル開始にてやっと見ることができました。

 「宮崎駿」氏の息子初監督作品とのこともあって賛否両論あったようですが、私が見た感想は「アクション映画[アニメ]として、十分楽しめました。」です。

 「アクション~」と言ってしまっているのは、ファンタジー世界(舞台)設定なのに思っていたより【魔法】の出番が少なかったからです。
 ちょっとした異世界の冒険物語といった所でしょうか。

 初めに「嵐」の中、「龍」登場と、あまり意外性はなかったですが取りあえず「惹きつける」ことには成功していると思います。

 作画も意識してやっていると思いますが、王宮内の床に写る人物の姿、雲の動きなど「きちんと(?)」しています。

 ただ、全体的に遠景が多いのがやや気になりましたが・・・・・・。

 内容は、各所(いいタイミング)でイベント(事件/アクション)が発生し、展開がダラダラとなることなく、スピーディに進んで行きます。

 ただ、そのために主人公「アレン」が父親を刺した理由が不明確だったり、謎が残ってしまう部分が多々あったりしたのですが・・・・・・。(まあ、「宮崎吾朗」氏だけではなく「宮崎駿」氏の作品も謎が残る[意識して残してる?]部分は多数あるので声を大にして言うことでもありませんが。)

 総合的に冗長的な部分がなく、スピーディで楽しめます。

 ただ、見終わった後に「特に印象に残るシーン・セリフ」、つまり記憶に残っている部分が少ないことに吃驚します。
 
 公開時のCMにて「テルー」のセリフが印象に残っていますが、いざ本編を見ると特に重要な場面で言ったセリフでもなく、深みがありません。

 他の「ジブリ」作品を見終わった後に良く感じるような

「幸せな感じになる。(人にやさしくしよう。)」
「がんばってみよう。」
「~について、考えてみよう。」

といったことが浮かんでくることはありませんでした。(「ジブリ」作品の全部が該当する訳ではないのですが・・・・・・。)

 「ジブリ」作品は【嫌と言う程】テレビにて何回も放送されていますが、不思議と飽きません。時間が空いていれば、見てしまいます。
 まあ、期間が空いて久しぶりに見るからということも影響しているのでしょうが・・・・・・。

 ただ、今回の『ゲド戦記』については、上記の【繰り返しの視聴】に「耐えられる作品ではない。」と私個人的には思っています。

 他の「ジブリ」作品には、何らか(再度)【見たいシーン】があります。

 例えば再放送でやっていた場合、「あのシーンの部分は見ておきたい。」と感じることが多いのです。
 つまり、それだけ【印象に残るシーン】が各作品にあるということです。・・・<関連>後述【注:「宮崎駿」氏について】

『風の谷のナウシカ』:
■「風の谷」に危機を知らせるため、船から脱出するシーン
■「オーム」の子供を助けるため、両手を広げて突進するシーン
■「オーム」の大群に立ちふさがるシーン ~ 金色の原に立つシーン

『天空の城ラピュタ』:
■ロボットが助けにきた「パズー」に「シータ」を渡すため、塔に「シータ」を立たした後、砲弾を食らって倒れるシーン
■塔から「パズー」が「シータ」を掻っ攫う(助けるが正しいですが)シーン
■海賊船でのキッチンでの海賊達と「シータ」のやり取りのシーン
■(最後)「飛行石」を渡さないため、「パズー」と「シータ」二人で手を重ね、「破滅?」の呪文を唱えるシーン

『魔女の宅急便』:
(ヒロインと共に落ち込ませる部分が多々あるのですが)
■(やはり最後の)「キキ」が「トンボ」を助けるシーン(+それを見てはしゃぐ「マーサ」婆さん)

『もののけ姫』:
■呪いが発動した腕にて「サン」と「エボシ」の戦いを止めるシーン(+数人がかりでしか持ち上げられない柵を開いて、出て行くシーン)

などなど。

 印象に残る映画にはいろいろあります。
その要因は様々です。

○ストーリー
○(今までに無かった)迫力のある映像
○台詞(ある台詞が忘れなれない/つい使って[引用して]しまう etc)
○一シーン(あるシーンが忘れなれない/また見たい etc)
 ⇒「ジブリ」作品にはこれが多い。

 今回の『ゲド戦記』には、上記に該当するものが私にはありませんでした。

~~『ゲド戦記』原作の使用について~~

 原作を読んでいないので、何とも言えません。

 ただ、新聞の広告欄などでは、「ハイタカ(ゲド)」の子供時代から、話は始まっているのようですね。
 今回のアニメ化されたエピソードは、どのように選んだのでしょうか。
 「アレン」と「テルー」の二人を主人公(前面)としやすいのが理由でしょうか。
 
 短時間なので敵方の「クモ」と「ハイタカ」との因縁や宿を貸してくれた女性との関係が描ききれなかったのはしょうがないかと思います。(口頭/台詞にてなにやら補完していましたが。)

 ただ、一番感じたのは原作の『ゲド戦記』の世界感はこんなものだったのでしょうか?

 ファンタジー(異世界)の物語だと思うのですが、

■「魔法」が地味。⇒演出上の問題?。
■「龍」の存在意義があいまい。
■「真[まこと]の名」を知ることで操る
 ・・・どっかでも読んだか/見た設定です。
 どちらが真似ているのか分かりませんが。

 今回の『ゲド戦記』を見て、特筆すべき(他と違う)世界感が感じられませんでした。
原作もこのようなありふれた設定なのでしょうか。

 「ピアズ・アンソニイ」の『魔法の国ザンス』シリーズみたいな駄洒落も含んだあの世界感とまでは言いませんが、もっとオリジナリティーのある世界設定が欲しかったです。

 それとも原作はアニメと違いもっと独特の世界感に溢れた作品だったのでしょうか。いずれ機会があったら、読んで見るつもりです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【注:「宮崎駿」氏について】

 以前、NHKにて「宮崎駿」氏についての特集をやっていました。

 次回作「金魚姫?が題材」の情報が知りたくて見ました。

 「宮崎駿」氏が『ゲド戦記』の試写会にて途中で一旦、離席して外へ出て戻る場面などがありましたが、私が本番組にて一番、印象に残ったのは【「宮崎駿」氏の作品の作り方】です。

 「ストーリー」からではなく、描きたい「イメージ」イラストから作っていることに衝撃を受けました。

 どうりで、前述の【印象に残るシーン】が多数あるはずです。

 そこから(それを基盤に)作品を作っているのですから。

 ただ、後からそのシーンに合わせて「ストーリー」をつけるのは大変な作業かと思います。
 「宮崎駿」氏のいくつかの作品に「ストーリー」上、無理とは言いませんが「きついな・・・。」と個人的に感じた部分があったのは上記が原因なのでしょうか。
 
 上記の作品の作り方についての是非は分かりません。
 ただ、書きたい絵(シーン)があり、それを実現し、その作品は多くの人を惹きつけていることは事実です。

(記:スッタコ小僧)

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コメント

はじめまして!
「ゲド戦記」のレビュー、感心して読ませて頂きました。とてもよく分析されてますね!
私はジブリ作品が好きなので、期待した分、「ゲド戦記」はがっかりしました。
でも、客観的に見れば、可もなく不可もなく・・って感じでしょうか。ご指摘されている通り、私も余韻が残らなかったです。
原作は読まれましたか?
私のブログでもジブリ作品のレビューを書いてますので、よければ遊びに来てください(^o^)/

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