【書籍】『キララ、探偵す。』読破
「竹本健治」著の(表紙裏・あらすじから抜粋すると)「史上初! 美少女メイド青春ミステリー」だそうです。
本作は図書館にて手に取ってしまいましたが、その理由は・・・・・・
【あまりにも「竹本健治」氏の本・表紙イラストとかけ離れており、表紙裏の「あらすじ」を読んで、本当に「竹本健治」氏・・・・・・と疑ったくらいです。】
最近の「萌え」「メイド」ブームに乗っかったのかと勘繰りたくなる作品です。(それとも本当に昔から書きたいと思っていて、一気に弾けたのでしょうか。)
メイン登場人物(?)は、アイドル好きの大学生「乙島侑平(ゆうへい)」ともちろん題名になっている【美少女メイドロボット】「キララ」です。
「侑平」の親戚関係筋より、新製品のモニター、つまり「キララ」の「ご主人様」(書いていて恥ずかしいですが)となりました。
「キララ」には「夜のご奉仕」用「裏モード」があり・・・・・・・あるスイッチが入ると性格が変貌します。【二重人格部分】
どんな性格になるかは、既に表紙裏のあらすじにおおよそ記載してありますが、読んでからのお楽しみと・・・・・・。
ここまで書いている限り、まあ「ベタベタ」な設定です。
本作品の中身は4つの短編で構成されています。各々一つの事件が発生・解決となります。 (「侑平」の叔母さん[もちろん美女]が探偵事務所を開いており、そこに住んでいる関係上、事件に巻き込まれます。「ベタ」です・・・。)
正直、あまり推理(謎・トリック)に期待していると「肩すかし」を食らうかもしれません。
まあ、連作で一部ちょっと繋がっていたり、「ロボット」ならではの部分が関連と良く考えられている部分(謎・トリック)もあるのですが・・・・・・。
簡単に各話のタイトルと発生事件について記載致します。
1)キララ、登場す。
⇒題名の通り、「キララ」登場の回です。事件は失踪事件から殺人事件へと発展します。
2)キララ、豹変す。
⇒前述の【二重人格部分】が初登場です。誘拐事件を捜査します。
3)キララ、緘黙す。※「かんもく」
⇒同型のロボットが行方不明です。(ロボット)失踪事件を捜査します。
4)キララ、奮戦す。
⇒アイドルのストーカー事件を捜査します。
前述の通り、ただの推理小説だったら各編の事件(謎)には、とても物足りなさを感じます。
《ただ、本作品は「美少女メイド青春ミステリー」なので・・・・・・。》
~~~~「竹本健治」氏について~~~~
「竹本健治」氏については、今までかの有名な(?)『ウロボロス』シリーズ(全部ではありませんが)を含め、いくつか読んでいます。
1)匣の中の失楽
2)ウロボロスの偽書
3)ウロボロスの基礎論
4)眠れる森の惨劇
※記載順序は私が読んだ順です。当たっているかどうか記憶が・・・。
特に「4)」は本当にこの作品だったのか「あやふや」です。
読んだ作品数は少ないと感じるかも知れませんが、
「竹本健治」氏の作品は【再読】(発生率)が多いのです!!
上記「1)」は3回以上、「2)」と「3)」は少なくとも2回は読んでいます。
「そんなに面白かったのか。」と尋ねられると苦しいのですが、正直に答えると「1回目の読了でよく分からなかった・・・・・・。」(トリック・謎レベルではなく、物語[ストーリー]自体が・・・。致命的ですが。)と答える他ありません。
小説に描かれている世界が「小説?」「現実?」「夢?」「登場人物の妄想?」と、読んでいる方を混乱させます。
そこが「竹本健治」氏の作品の魅力なのですが。
【再読】を苦もなく繰り返しているように、読みづらくはありません。興に乗ると、本当に読むのが止まらなくなります。
上記「4)」については、「竹本健治」氏の「普通(?)」の推理小説を読んでみたくて、手をつけた記憶があります。
残念ながら、全く覚えていません。 (従って、あまり記憶に残るトリックではなかったのかと思います。選んだ作品が悪かったのかも・・・・・・。)
>>>>以下、閑話
話は変わりますが、「読みづらい。」or 「理解するのが大変。」(1回の読了では内容が理解できない。)作品は、今も昔も存在します。
今は意図して(ワザと)実施している印象を受けますが・・・。
昭和の三大~と言われている以下の作品を読んだことがあります。どれも2回以上は読んでいます。
■「小栗虫太郎」著・『黒死館殺人事件』
⇒文章も難解ですが、トリックはそれに輪をかけて難解です。常人(通常の知識の持ち主)では、絶対解けない・・・・・・と私は思います。
■「夢野久作」著・『ドグラ・マグラ』
⇒夢と現実(記憶?)の区別つきづらくなる点で、「竹本健治」氏の作品に通じるものがあると思います。内容については理解しやすかったです。
こちらは読み易く、私なりには1回の読了で納得できました。(本作品を本当に理解しているかどうかは怪しいですが。)
■「中井英夫」著・『虚無への供物』
⇒「竹本健治」氏の作品はこちらにも似ているかもしれません。
こちら内容的にはそんなに幻想的な部分はないのですが、「解決編」が多すぎて、どれが正解なのやら【混乱】します。
読了直後に納得しているはずですが、期間が経過すると「あの謎ってどれが正解だっけ?」と時々、他に読むものがなかった場合に手を伸ばす作品となっています。
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(記:スッタコ小僧)
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