書籍・雑誌

2021年9月25日 (土)

【書籍】『エラリー・クイーンの新冒険』読破

 「エラリー・クィーン」著、小説家・父親に警視を持ち、その論理的な推理より犯人を追い詰める名探偵「エラリー・クイーン」が活躍する中短編集、本格推理小説です。

~収録作で一番長い「神の灯」は、既に類似の他作品を読んでしまった影響か、あまり驚きは少なかった。でも、その他の犯人当て->絞りは、とても面白かったです。~

やっぱり著者には大掛かりというか、トリック系の謎は似合わないのかな。

「神の灯」は"消失"系ですが、神秘的・不可思議系の展開は、「エラリー」探偵シリーズでは問題提起部分を読んでいても、何か居心地が悪い。

・神の灯

 知り合いの弁護士の急な依頼にて呼び出され、道路を挟んで向かい合う黒い家と白い家に向かったエラリー。

 そこで翌朝に遭遇した不可思議な現象とは。

・宝捜しの冒険

 盗難されたネックレスを館と外で大捜索・・・果たして、宝の場所は。

・がらんどう竜の冒険

 ドアストッパー紛失から発覚した主人失踪の真相とは・・・。

・暗黒の家の冒険

 遊園地の暗闇迷宮での殺人。事件があった際に迷宮内にいた面々より、エラリー、犯人を絞り込む。

・血をふく肖像画の冒険

 不貞を働くと血が流れるという伝説がある肖像画。伝説再現なるか。。。

・人間が犬を嚙む

 野球場が舞台、大舞台を観戦に来ていた四角関係の元野球選手とその妻、そしてそれぞれの連れ。

 エラリーの恋人パリスの予感は当たり、やがて事件が。。。

・大穴

 競馬場が舞台、突然の事件、そしてその動機と真相とは。

・正気にかえる

 ボクシングタイトルマッチが舞台、刺殺された死体、暑いのに不要と思われた盗まれたコートから、エラリーが辿り着く犯人とは。

・トロイの木馬

 アメリカンフットボール場が舞台、盗まれた宝石の行方は。

後半のスポーツシリーズ、エラリーの恋人「ポーラ・パリス」が印象的でした。

登場作を読んでいないのか、忘れているのか、本シリーズに恋愛/ロマンス要素が混ざっているのが、とても意外─でも、悪くないです。

(記:スッタコ小僧)

2021年9月19日 (日)

【書籍】『京都東山 美術館と夜のアート』読破

 「高井忍」著、表題作から始まる連作ミステリーです。

~うーん、美術館、または美術関係の蘊蓄、または"ちなんだ"謎とトリックを多く楽しめると思ったのになぁ。。。~

思い返すと伏線などしっかりしているし、過去に扱われた美術ネタも一捻りしているけど─やはり、物足りな過ぎる、本作が美術背景ミステリが初だったら・・・でも、それだと少し導入には敷居が高い気もするし。

 とにかく、もう「写楽、誰?」ミステリを持ってくるのはやめて欲しかった。

まあ、連作次で別観点を持ってきて、私には新たな知識を与えてくれたのですが、どうなんだろう、当初、思っていたより得るモノが少なかったような。

 以前読んだ『不良品探偵』に続き、文庫本表紙のイラストからは手を伸ばしにくいなぁ、でも創元推理文庫だし、国内のミステリ状況を把握しておきたいしなぁ、で読んだのですが、残念ながら本作は予想を超えてくれませんでした。

~~~~

美術関係の仕事に就きたい・・・学芸員の門は狭く、それでも美術に近い所で市立美術館の警備員として働きだした「神戸静河」。

夜間警備、そして展示物、過去の事件話、昔の友人に纏わる事件に遭遇する。

~~~~

〇美術館と夜のアート

 夜間、美術館の外を照明で飾るおじさんの正体とは。。。

〇宝船のイースト・ミーツ・ウエスト

 個人のコレクションに纏わる展示物の中に、幻の一品!?

〇御神刀リータンズ

 戦争後、没収されたお寺の御神刀が数十年ぶりに見つかった!?。

〇スウィフティー画談

 本当の謎に包まれた浮世絵師、「翠釜亭(すいふてい)」に迫る。

表題作はともかく、他の作品は内容を考えるとちょっと長いなぁ。

美術背景、時代背景を説明するのに必要なのは分かるのですが、単純な「お話」「会話」形式をとっているだけに読み進めるのがダレてくるのは否めない。

美術を知らない人も楽しめる─にしては、浮世絵関係の比率が高いし、ちょっと今まで描かれていない方面、または描かれていても別口で─を目指した結果、ターゲットが合う作品と大きく外れる作品が混在しており、感想に苦しみます。

(記:スッタコ小僧)

 

2021年9月17日 (金)

【書籍】『不良品探偵』読破

 「滝田務雄(たきた・みちお)」著、変わり者?ポンコツ?でも推理は抜群の先輩「藍須救武(あいす・きゅうぶ)」としっかり者で先輩のお目付け役?後輩「白城一馬(はくじょう・かずま)」の学生コンビが織りなす連作短編、ミステリです。

~最初に学園での〇〇には吃驚しましたが、それ以降は学園から飛び出すも、予想の日常系に近い内容でもあり、楽しめました。~

前述の先輩に謎を解かせる為に解答に至るヒントは適切に盛り込まれていたと思います。

なので、各話について読み終わった時、成程と納得納得、表紙のポップな絵からは想像できないほど、ロジック的な推理の面白さが味わえました。

それ以外に著者の持ち味か、巻末のあとがきから自身のある部分なのか、登場人物達の軽妙なやり取り。

前述の学園先輩・後輩の探偵&ワトソンコンビの他に警察のコンビがいい味を絡めています。

 著者さんの記載の通り、確かに「キャラが勝手に動いてくれた」感が伝わってきました。

色々と手を伸ばしてみるもんだ、本当、色々な作品に出会えるなぁ。

 重すぎず、そんなに軽すぎもせず、適度なミステリが楽しめました。

(記:スッタコ小僧)

【書籍】『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』読破

 「歌田年」著、「このミステリーがすごい!」大賞受賞─ミステリ、そして意外にハードボイルド!?作品です。

~期待以上、面白かったです。そして全く予想を超えた登場人物や展開、、、期待した知識とそして予想外の知識と内容が提示され、驚きと楽しさを味わう事ができました。~

 欲を言えば、作中のジオラマの挿絵が欲しいところです。

そうすれば、まず本として目を引いた色々な用紙の他に、読み返した時に挿絵でも楽しめたのに・・・。

最初は、「紙鑑定士」とのタイトルから"静"かな、安楽椅子探偵系と思ったのですが、意外や意外、主人公を足と紙知識と人脈を活かし、まさかモデラーの探偵とのタッグだったとは。

確かに巻末にある選評にも記載があったと記憶してますが、終盤に諸々駆け足気味で詰め込んだなぁ、との印象はあります。

また、タイトルから内容に物理トリック/館トリックを私は期待していたのですが、その点は裏切られた形になります。

でも、上記の感想よりも次へ次へと読み進めさせるサスペンス感、"動”─アクティブな展開、そして読後の爽快感が勝る作品でした。

 ここ最近、ミステリは懐古主義に走り勝ちだった自分を大きく引き戻してくれた気がします。

~~~

大手から独立し、始めた会社、仕事は用紙の調達!?。その経験から紙については見て触れば、分かる紙鑑定士「渡部」。

事務所看板を普通の探偵と勘違いして入ってきた女性の依頼を引き受けた事で、その後、自身の仕事とは全く関係のない人探しに巻き込まれてしまう。

その捜査の中で出会った伝説のプラモデル造形家・「土生井(はぶい)」と一緒に人助け、人助け!!。

~~~

(記:スッタコ小僧)

【書籍】『カナダ金貨の謎』読破

 「有栖川有栖」著の国名シリーズ、学者:火村英生と著者と同名小説家がワトソン役で活躍する中・短編ミステリです。

~最近、「エラリー・クィーン」再読による影響か、読後に内容を思い返すとそのロジックには感心する作品です。~

ただ、正直、読んだ直後は「んっ、久しぶりに日本の本格本格─と期待した割には肩透かし」の印象が強かったです。

〇船長が死んだ夜

 ちょっと情景が浮かばなかった。推理の決め手となるポスター、私はあまり家に貼っていないしなぁ。

 馴染みが無さ過ぎたのでしょうか。

 掃除した際に、ゲームの初回特典などでポスターが多数見つかった事があるけど、流石に場所もなくて飾ってなかったしなぁ。

〇エア・キャット

 ちょっとタイトルがあまりいい具合に混じっていないというか、絡んでおらず。。。

〇カナダ金貨の謎

 表題作の割には・・・。

〇あるトリックの蹉跌

 火村と有栖の出逢いの物語。

〇トロッコの行方

 本作品集の中では、読後は一番、本作が"しっくり"来たかな。

 

表.著者作品一覧 ※★:火村英生,☆:江神二郎
区分 タイトル 探偵
長編 月光ゲーム-Yの悲劇'88- 1989
長編 孤島パズル 1989
長編 マジックミラー   1990
長編 双頭の悪魔 1992
長編 46番目の密室 1992
長編 ダリの繭 1993
短編 ロシア紅茶の謎 1994
長編 海のある奈良に死す 1995
長編 スウェーデン館の謎 1995
長編 幻想運河   1996
短編 山伏地蔵坊の放浪   1996
短編 ブラジル蝶の謎 1996
長編 朱色の研究 1997
短編 英国庭園の謎 1997
短編 ジュリエットの悲鳴   1998
短編 ペルシャ猫の謎 1999
長編 幽霊刑事   2000
短編 暗い宿 2000
短編 作家小説   2001
短編 絶叫城殺人事件 2001
長編 マレー鉄道の謎 2002
中編 まほろ市の殺人 冬 蜃気楼に手を振る   2002
長編 虹果て村の秘密   2003
短編 スイス時計の謎 2003
短編 白い兎が逃げる 2003
短編 モロッコ水晶の謎 2005
長編 乱鴉の島 2006
短編 動物園の暗号 ☆★ 2006
長編 女王国の城 2007
長編 妃は船を沈める 2008
短編 壁抜け男の謎   2008
短編 火村英夫に捧げる犯罪 2008
短編 赤い月、廃駅の上に   2009
長編 闇の喇叭   2010
短編 長い廊下がある家 2010
長編 真夜中の探偵   2011
長編 論理爆弾   2012
短編 高原のフーダニット 2012
短編 江神二郎の洞察 2012
短編 幻坂   2013
短編 菩提樹荘の殺人 2013
短編 臨床犯罪学者・火村英生の推理 密室の研究 2013
短編 臨床犯罪学者・火村英生の推理 暗号の研究 2014
短編 臨床犯罪学者・火村英生の推理 アリバイの研修 2014
短編 怪しい店 2014
長編 鍵の掛かった男 2015
長編 狩人の悪夢 2017
短編 濱地健三郎の霊なる事件簿   2017
短編 名探偵傑作短編集 火村英生篇 2017
長編 インド倶楽部の謎 2018
短編 こうして誰もいなくなった   2019
短編 カナダ金貨の謎 2019

(記:スッタコ小僧) 

2021年9月11日 (土)

【書籍】『死体泥棒』読破

 「パトリーシア・メロ」著、ドイツ・ミステリで大賞を取得したブラジルの人気作、サスペンス小説です。

~小説として読む舞台としては、私の中では物珍しかったのですが、如何せん、序盤の展開が・・・読んだ時期が悪かったかな。~

最近、映画『ディープ・ブルー』シリーズ2作を視聴したばかりだったので。

墜落・沈没したモノの中から、"ブツ"を見つけてしまって売り捌こうとドツボに嵌る─ちょっと、大本の事件があまりにも既知過ぎて・・・。

読む舞台、そこのお国柄などは「成程」と興味はあるのですが、前述の件によりどうも読み進める原動力が弱くて困りものでした。

 まあ、でも良い一読にはなったと思います、南米ミステリ、成程ね。

(記:スッタコ小僧)

【書籍】『任務の終わり』読破

 「スティーヴン・キング」著、"三部作"の最終作─ミステリ+著者お得意の超常現象混ぜの作品です。

~三部作の最終作だったら、きちんと記載しておいてくれよ。。。~

背面のあらすじに記載がなくて、でも作品リストに『ミスター・メルセデス』と本作に登場する大量殺人鬼が出ていることから、「あれっ」と思い、あとがきで止め。

『ミスター・メルセデス』⇒『ファインダーズ・キーパーズ』と来て、本作です。

前二作は"ミステリ"寄りというか、純粋なミステリだった模様、著者のミステリ大の『ジョイランド』が私自身の中では好評なだけにまず前作を読んでいたかったなぁ。

 確かに本作単体でも楽しめる内容になってますが、「解説」で前二作を読んでからの方が「より楽しめる、面白い」と書いてあるし。

残念の一言です、ここは感想は少しにして記憶を薄れさせ、第一部となる作品から後日、読んでみたいと思います。

(記:スッタコ小僧)

2021年8月28日 (土)

【書籍】『2000年代海外SF傑作選』読破

 比率から言うとSF作品、読んでいる数少ないし、またその中でも海外作品は特定シリーズを除いては読み込みが不足している・・・と思ったので、どんな作者がいるのか気になり、手に取りました。

・ミセス・ゼノンのパラドックス:エレン・クレイジャズ

 うわっ、最初に作品にしてはハードル高っ!!。

・懐かしき主人の声:ハンヌ・ライアニエミ

 意表を突いた設定、登場人物ながら、最後にはその世界に入り込めた点で流石。

・第二人称現在形:ダリル・グレゴリイ

 設定は面白いが、うーんストーリーにもう一捻りというか展開が欲しかった。

・地火:リウ・ツーシン

 SF?。意外な石炭時代からの展開。最後には科学ってモノを痛感させられる作品です。

・シスアドが世界を支配するとき:コリイ・ドクトロウ

 まさかの展開・・・どうなるのかドキドキで最後まで一気に読み進められました。

・コールダー・ウォー:チャールズ・ストロス

 うーん、記録映像口調の文体を挟み、なかなかの演出なのですが・・・ムズイ。

・可能性はゼロじゃない:N・K・ジェミシン

 ちょっと面白さが分からんかった。

・暗黒整数:グレッグ・イーガン

 用語のハードルが高すぎる・・・でも、それでも展開にドキドキ。

・ジーマ・ブルー:アレステア・レナルズ

 目新しくはないオチだけど確かに印象に残る作品。

(記:スッタコ小僧)

【書籍】『ミステリマガジン700【海外篇】創刊700号記念アンソロジー』読破

 最近の色々な著者の作品が読みたくて。どうにもここ最近、新しい作品よりは古典系、再読の方が多くなってしまった気がするので、気分を変える為に。

・決定的なひとひねり:A・H・Z・カー

 タイトルから推理物かと思ったら、サスペンス。日常が一変する一味。

・アリバイさがし:シャーロット・アームストロング

 うーん、狙いどころが分からなかった。読み込み不足?。

・終列車:フレドリック・ブラウン

 ファンタジー?、それとも。

・憎悪の殺人:パトリシア・ハイスミス

 良くこの短い中に詰め込んだなぁ。

・マニング氏の金のなる木:ロバート・アーサー

 この手系の作品、久しぶりに読むとほんわか。

・二十五年目のクラス会:エドワード・D・ホック

 謎解きとしては及第。

・拝啓、編集長様:クリスチアナ・ブランド

 もう少し色々な趣向が凝らしてあるのかと思った。

・すばらしき誘拐:ボアロー、ナルスジャク

 目新しくはないオチだけど、まあ。

・名探偵ガリレオ:シオドア・マシスン

 もう少しトリック、トリックしたモノを想定してしまった。。。

・子守:ルース・レンデル

 ゾクッ、とする怖さと面白さ。

・リノで途中下車:ジャック・フィニィ

 ちょっとした冒険。

・肝臓色の猫はいりませんか:ジェラルド・カーシュ

 うーん、ただのホラー?。

・十号船室の問題:ピーター・ラヴゼイ

 タイトルから物理系を想像していたので。。。舞台には驚いたけど。

・ソフト・スポット:イアン・ランキン

 著者の特色、持ち味が出ている。

・犬のゲーム:レジナルド・ヒル

 意外に本格、安定的な面白さ。

・フルーツセラー:ジョイス・キャロル・オーツ

 恐ろしい父親の真実・・・寒くなる一品。

(記:スッタコ小僧)

2021年8月23日 (月)

【書籍】『鹿の王 水底の橋』読破

 「上橋菜穂子(うえはし・なほこ)」さん、『鹿の王』の外伝・・・いやいや著者のシリーズ"外伝"は外伝に納まらないくらい面白い!!。

『獣の奏者』の時も該当するけど、本当にあとがきにもあるように「書きたい」と出てきたものを書くから、外伝・後日譚であっても、こんなに引き込まれるんだなぁ。

オタワル医療の「ホッサル」とその助手「ミラル」の行く末・・・そして清心教医術の謎と、意外な所の続編ながらも、ああっ描いてくれて良かったと思う内容で、本当にアッと言う間に読み終わってしまいましたよ。

相変わらず余韻残しがうまい、『鹿の王』は文庫本(4冊)を購入し再読対象だけど、もう本作も手に入れておかないと・・・・。

 何回も読みたくなる作品、いいよね。ミステリだとアガサ・クリスティー作品、ファンタジーだと魔法の国ザンス、またひとシリーズ追加することができました。

そういえば『鹿の王』アニメ化か。制作会社はうーん、安定な所だけど、でもCMのビジュアルを見る限り・・・ちょっと想像していた「ヴァン」と「ユナ」でなくてガッカリだったかな。

まあ、ストーリーを変な方へ、また演出を可笑しな派手さへシフトさせていなければ、大丈夫だと思うけど、心配だなぁ。

(記:スッタコ小僧)

より以前の記事一覧

2021年9月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ

リンク