書籍・雑誌

2008年7月25日 (金)

【書籍】『刀語 第十二話 炎刀・銃』読破

 「西尾維新」著、『刀語』シリーズ第十二作目【炎刀・銃(エントウ・ジュウ)】、《最終巻》です。

 「奇策士・とがめ」と刀を持たない剣士「虚刀流(きょとうりゅう)七代目・鑢七花(やすりしちか)」の国をも動かすと言われる「四季崎記紀(しきざききき)」の【変体刀完成形十二本の蒐集】の<最後の旅>です。

《最終巻》の【格刀(カクトウ)】部分は──昔のアクションゲーム最終ステージのような展開・・・・・・「色違い」(キャラ)でなかった点が救いでしたが。
意表を突く程・・・・・・【無難な闘い】だったように思います。(まあ、いきなり新技・新能力・覚醒などを持ってこられても逆に困惑しますが。)

 話的には序盤に《驚愕》させ、終盤どうもっていくのかと思ったら──遠大な(?)【オチ】へ収束・・・もっと色々な結末を考えていたんだろうな、でも結局、この「終わり方」か。
何か驚くべき《仕掛け》があるのかと思ったら・・・・・・【無難な終わり方】。(それとも私が読みきれていない[気づいていない]何か《仕掛け》があったのでしょうか。)

 十二冊全て読みきった時、もっと感慨があるかと思いましたが──思い浮かぶのは直近で読んだ《最終巻》の内容ばかりで特に一作目から色々と思い起こすといった事はありませんでした。

何はともあれ、一ヶ月一作のペースで完結させたのは凄い。

(記:スッタコ小僧)

2008年7月24日 (木)

【書籍】『本格推理委員会』読破

 「日向まさみち(ヒナタ・マサミチ)」著、第一回ボイルドエッグズ新人賞受賞作──タイトルからは【本格推理小説】と読み取れますが・・・・・・。
表紙(「産業編集センター」発行)からは、「ライトノベル」を思わせるイラストにて「大丈夫かな?」とは思ったのですが、タイトル『本格推理委員会(The Hon-Sui Committee)』を信じて──

読了後の【一言】

 う~ん、ちょっと<名前(タイトル)負け>かな

 あとがきにて著者は「キャラクター」に力を入れた旨、記載しています。
確かにその点は伝わってきました──が、できればその力を【事件】へ少しでも注いで欲しかったなあと思います。

 小中高一貫の「木ノ花(コノハナ)学園」・・・・・・奇抜・破天荒な【理事長】(女性)により、「本格推理委員会」へ加わる事になった【主人公】。
幼い頃、抱いていた夢は「名探偵」・・・・・・培った観察力・推理力により【理事長】の仕掛けたテストに合格してしまったのが運のつき。
幼馴染の100%当たる【勘】を持つ女生徒と一緒に学園の平和を守る(?)「本格推理委員会」に加わる事に──。
過去の事件により「名探偵」となる事に嫌悪を感じている【主人公】、果たしてどんな展開になるのやら。

 学園の平和を守るため、小学部で広まっている【怪談】──「音楽室の少女」の話を調査です。
調査していく内に教師が遭遇した《四階の「音楽室」から消えた女性》事件が、現実に発生していました。
更に調査していく中で、ピアノの置いてある「音楽室」からではない四階のどこからか「ピアノ」の音が・・・・・・そして、事件発生です。

 最後の最後に全体を通しての<捻り>がありましたが、私は事件──上記《消失》のトリック内容に期待を抱いていました。
最後の<捻り>がメインだった関係もあるとは思いますが、《消失》のトリック内容があまりにも・・・・・・だったため、前述の【一言】が一番に出てしまいました。

(記:スッタコ小僧)

2008年7月23日 (水)

【書籍】『刀語 第十一話 毒刀・鍍』読破

 「西尾維新」著、『刀語』シリーズ第十一作目【毒刀・鍍(ドクトウ・メッキ)】です。

 「奇策士・とがめ」と刀を持たない剣士「虚刀流(きょとうりゅう)七代目・鑢七花(やすりしちか)」の国をも動かすと言われる「四季崎記紀(しきざききき)」の【変体刀完成形十二本の蒐集】の旅「第十一弾」です。

ついに【最終巻直前】です──でも、そのせいか本作は

■今までの「粗筋(あらすじ)」
■現時点で残っている「登場人物説明(orおさらい)」・・・本巻でまた減少
■いい所/気になる所で「続く」・・・・・・著者の『新本格魔法少女りすか3』[書籍]と同様

まあ、「真庭忍軍」、通称「まにわに」の

■「真庭人鳥(ぺんぎん)」の能力(≒忍法)披露

は良かったのですが、

■色々な謎は一向に解明の進展を見せず
■「毒刀・鍍」所持者「真庭鳳凰」との戦いは・・・・・・「毒刀」の<特性>と現在の「七花」の<実力>により盛り上らず

前作の『~第十話 誠刀・銓(セイトウ・ハカリ)』の感想にて【刀休め】の回と記載しましたが、

 本作の序盤もその【刀休め】が引き続いて、
 中盤は「真庭忍軍」終局へ向けての準備、
 終盤は【最終巻】への《プロローグ》

といった所でしょうか。

 本作だけでは、満足できない内容となっています。

(記:スッタコ小僧)

2008年7月21日 (月)

【書籍】『ナナフシの恋~Mimetic Girl~』読破

 「黒田研二」著、青春小説と見間違う表紙(※講談社ノベルス)ですが【本格推理小説】です。

「黒田研二」さん──今まで著者の作品は色々と読んでいますが、いつもその《仕掛けの多彩さ》に吃驚です。
加えて、読んだ後「暗く」なる作品が少ないのも好感を持ちます。

 オドロオドロしい雰囲気・孤島/洋館に蠢く怪人(殺人者)・驚愕の謎(トリック)、救われない最後(「やたらとボリューム大」または「若干読みづらい」などの欠点所持の場合あり)の作品も嫌いではないのですが、続くとさすがにちょっと・・・・・・そんな時、本著者の作品は効力発揮です。

一つ欠点を言えば《シリーズ物が滞っている点》かな・・・・・・「保育園」と「人形に意識不明の刑事が」──の2つのシリーズ、登場人物達の次の活躍が待ち遠しいです。

 さて本作の話です。
 タイトルの「ナナフシ」は昆虫、敵から身を隠すため【擬態】能力を持っています。
同じくタイトルに含まれる「Mimetic」はそのものズバリ【擬態】を意味しています。
読み進めて、

 中盤で「ああ、なるほど」(弱め)

と思ったタイトル

 終盤で『なるほど』(強め)

と納得です。(やはり、最後の最後でやってくれるなあ。)

 呼び出しメールにて新校舎3Fの教室に集った男女6人──
呼び出したのは25日前に飛び降り自殺を図り、今だ意識不明の【クラスメイト】です・・・・・・現場は集められた3Fの「この教室」。
 一体誰が・・・・・・呼び出し者/理由を解明するため、上記【クラスメイト】の話をするも皆一様に「印象がない・・・・・・顔、髪型が思い出せない。」。
それ程までに<他人と触れ合わず>に来たのに一体、どんな動機が・・・・・・自殺の現場には不審な点、加えて呼び出された男女の事件当日の行動から色々不可解な点が浮かびあがってきて、果たして事件の真相は。

 集められた教室の中だけで数時間の話し合いから浮上してくる謎、そして到達する真相──短くて一気に読み終わりましたが色々と《ズッシリ》くる作品でした。

(記:スッタコ小僧)

2008年7月20日 (日)

【書籍】『悪魔の紋章』読破

 「江戸川乱歩」著、中の言葉を借りるなら【大怪奇探偵小説】・・・・・・《三重渦状紋》の指紋を持つ【復讐鬼】との戦い開幕です。

けれども【復讐鬼】との戦いは、不在の名探偵「明智小五郎」に代わって名探偵として近年、頭角をあらわしてきた「宗像隆一郎」博士。
ある家族(父親・娘二人)への脅迫状の調査を実施していた助手の敵討ちと奮闘です。
けれども奮闘空しく、次々と・・・・・・。

著者の作品に親しんでいる人にとっては代わり映えしない展開と犯人──でも、著者の雰囲気が溢れているので久しぶりに「江戸川乱歩」の世界を味わうには手頃な作品でした。
蝋人形、お化け屋敷、鏡貼りの部屋、家具の中に秘密の隠れ場所などなど・・・・・・著者の他作品で一度は出てきたモノばかりで目新しいモノはありませんでしたが、逆に「ニヤリ」とさせられました。

(記:スッタコ小僧)

2008年7月19日 (土)

【書籍】『プライベートファイル』読破

 表紙の《B級映画タイトル文字》にて(内容に対して)不安を煽りましたが、「ジョエル・ゴールドマン」著・弁護士「ルー・メイスン」の【リーガル・ミステリー】です。(原題『The Last Witness』)

かの「ペリー・メイスン」ではありません、「ルー・メイスン」です──若手、<慎重に頭脳を巡らすというよりまず行動>の弁護士
上記より終盤/最後は《法廷で逆転劇》ではなく、アクション・アクション・・・・・・【プチ・ハードボイルド】の作品となっています。

色々と悪い噂が耐えない莫大な影響力を持つ大物弁護士が銃殺・・・・・・容疑者となり逮捕されたのは主人公「メイスン」にとっては【兄貴】のような存在である元警官・現在バーテンダーの「ブルース」。
逮捕したのは「ブルース」との因縁があり、主人公「メイスン」にとっては【父親】ともいうべき存在、刑事「ハリー」。

事件の関係者には市長、学生時代に憧れた女性(教師)、ワル(顔役)・・・・・・。
調査していくにあたり、殺害された弁護士がその影響力を駆使するために利用していた《秘密情報ファイル》の存在がチラリ──。

主人公にも生命の危険が迫ります、といった話です。

《法廷でのやり取り》および《法廷での逆転劇》を期待して手に取った作品だけに、ちょっぴり残念・・・・・・一応、最後の最後まで楽しめる内容だけど。

(記:スッタコ小僧)

2008年7月16日 (水)

【書籍】『百目恭市郎事件ファイル 倫敦(ロンドン)橋の殺人』読破

 「阿曾恵海」著、書き下ろし【超本格推理】とあるのですが──どの点が《超》だったのか私には分からずじまいでした。
表紙の絵から手が出しづらかったのですが、表紙に似合わず内容は「当たり」の場合もあるので、思い切って手にとったのですが・・・・・・。(また、表紙に堂々と謳っている【本格】との記載を信じて。)

 探偵は「百目恭市郎(どうめ・きょうしろう」と女性と見紛うばかりの美貌を持つ皮肉屋の医者「岩城初彦(いわき・はつひこ)」の二本柱です。
少年探偵の方は、頭脳派というより行動派──熱血の《少年探偵団》(の一団員)を彷彿させる探偵となっています。

 上記とは関連はないとは思いますが、大いに期待した【謎】は若干、拍子抜けと感じました。
まあ、常人離れの頭脳を持つ【名探偵】が登場するわけでもないので、親近感を抱く程度の探偵達が活躍する本作としては適切な難易度だったのではと思ってしまいました。

 座ってじっくり【推理】というより、不良少年団との共同作戦などなどまさに《少年探偵団》──冒険・冒険の展開が待っています。

連続殺人事件なのですが、一つ一つの謎が希薄で《大きな謎》となって引っ張るモノが一つもなかったのが残念です。
色々あったアイディアを盛り込んだ結果、「メイン」で引っ張るモノが「あいまい」に・・・・・・それとも元々「メイン」となるモノがなかったため、色々と詰め込んだのでしょうか。

 舞台は1890年のイギリス・ロンドン──かの「切り裂きジャック」事件もまだ記憶に新しい中、またしても「ジャック」を彷彿させる手口の殺人が・・・・・・
その殺害手口は<「ジャック」は人間ではなく、吸血鬼などの「化物」>と感じさせるモノばかり

■凍った川の上に死体・・・・・・氷の厚さよりとてもその場所へ遺体を担いでいくのは不可能──「ジャック」飛んだ?
■同伴者が居る中、首をもぎ取られた死体・・・・・・周りに誰もいなかった橋の上で一体どうやって──「ジャック」神出鬼没&怪力?

などなど殺害現場に残された

 ロンドン橋 落ちた
 踊って越えろよ レディ・リィ
 ロンドン橋 落ちた
 *********

の最後の一文にて被害者を暗示する紙切れを残す犯人(または事件関係者が事件前にふと耳にする歌)にて、古き良き懐かしの《不気味さ》を演出している作品です。
ただ、どうも著者オリジナルの雰囲気が感じられず、前述の「希薄」・「詰め込みすぎ」などの影響にて私にはあまり印象を残さない結果となりました。

(記:スッタコ小僧)

2008年7月12日 (土)

【書籍】『風信子(ヒアシンス)の家 神代教授の日常と謎』読破

 「篠田真由美」著、『建築家探偵桜井京介の事件簿』シリーズに登場する「京介」の恩師「神代宗(かみしろ・そう)」教授が

 活躍す(る)・・・特には活躍せず、
 不思議な事件/出来事の謎を解決す(る)・・・教授自身はあまり解決せず、

結局は

 ◎本シリーズの登場人物達との《やり取り》と旧友の探偵ぶりを楽しむ

【連作短編・推理小説(?※)】です。

※《謎解き要素》がとても少ないので・・・・・・。

 「あらすじ」には(性懲りもなく反応してしまった自分がいるのですが)、【密室】の文字が躍り(毎回、裏切られる事が多いのに)どんな「トリック」が登場するのか楽しみにしていたのですが──。

 本作品(の魅力)は前述「◎」の本シリーズ登場人物達の【エピソード】に偏っており、私は独立した作品として楽しむのは厳しいと感じました。
《謎解き要素》が魅力的で「あっ」と驚くようなモノがあればまた違った感想になったと思いますが・・・・・・。

(収録作品)
■風信子の家
■夢魔の目覚める家
■干からびた血、凍った涙
■クリスマスは嫌い
■思いは雪のように降りつもる

(記:スッタコ小僧)

2008年7月 9日 (水)

【書籍】『マットの魔法の腕輪』読破

 「ニーナ・キリキ・ホフマン」著、原題『A Red Heart of Memories』・・・《大人の》(!?)【ファンタジー小説】です。

久しぶりに「魔法」などが登場する【ファンタジー小説】が読みたくなり、手に取ったのですが・・・裏のあらすじに記載されている

 魔法の存在を信じる大人たちに捧げる、心あたたまるファンタジィ。

【大人たちに捧げる】をあまり意識していなかった・・・・・・《期待/予想していた内容とは大きくかけ離れた作品》でした。

 私としては言い方は悪いのですが子供っぽくても良いので、大人も子供も楽しめるファンタジー(魔法・妖精なんでも良いですけど)・読んで浮き浮き&ワクワクする作品を読みたかった──。

主人公の物と話せる魔法を持つ女性・・・「マット(マチルダ)・ブラック」が放浪の旅の途中に精霊に導かれて人/物助けを行なっている青年「エドマンド」と出会う事から始まります。
やがて「エドマンド」の失った記憶を取り戻すため、「エドマンド」の相棒(車)「ボルボ」で幼馴染の女性「スーザン」を探す旅へと・・・・・・。

 待ち受けているのは・・・・・・人の願いを叶える【あたたかい魔法】の他、

■幼馴染「スーザン」の【トラウマ】⇒父親の暴力・・・<ズシン>
■「エドマンド」の【過去の過ち】⇒「スーザン」を助けるためとはいえ・・・<ズシン>
■「マット」自身の過去の傷⇒父親による・・・<ズシン>

3つの<ズシン>で《重く、暗い内容》へと────すいません、私は読み終わった後「心あたたま」りませんでした。

思いっきり「ファンタジー」の世界に入りたかったのですが・・・・・・
⇒現代の中の【魔法】、下手に物と話す【魔法】を使うと精神病院へ収容される危険性あり。

夢、溢れる展開・または冒険譚を味わいたかったのですが・・・・・・
⇒心の傷を埋めあうロードムービー展開、谷へ谷へと沈み込ませて──。

 最初は世界感に馴染めず読むのに苦労したのですが(※)、読み進めるにつれて苦にはならなくなっていて中盤から終盤にかけてはどんどん読めました。
※シリーズを読んでいないせい?、でも今作は一作目じゃ・・・あまり邦訳されている作家とも思えないし。

 期待を裏切る作品は嫌いではないのですが、前述のように今回はあまりにも当初の目的とは大きく離れていたので──心浮き上がる作品が読みたかったのですが、見事に沈み込みました。

(記:スッタコ小僧)

2008年7月 4日 (金)

【書籍】『女が見ていた 新版 横溝正史全集9』読破

 タイトルの(名探偵「金田一耕助」は登場しませんが)中編のほか、ショートショートと「金田一耕助」が登場する短編三編を収録した作品です。

解説の「中島河太郎」氏も記載していますが、表題作の『女が見ていた』は読んでいるとその設定/流れより「ウイリアム・アイリッシュ」著の『幻の女』を思い起こさせます。
前回読んだ『夜歩く』(『びっくり箱殺人事件 新版 横溝正史全集7』収録)と同様にやはり外国作品を意識しているのでしょうか・・・。(特に不思議な事ではないのですが、世代[生きていた時代]の異なる方と同じ作品を読んでいる事に奇妙な感覚を覚えます──この著者も読んでいたんだあの本・・・と。)

さて各作品の説明を・・・

■『女が見ていた』
 妻と喧嘩し飛び出した【作家】・・・見知らぬ【女性】からの奇妙な視線を感じます。
飲み歩き、ついには酔いつぶれて、家に帰宅すると・・・・・・

 妻が自分の名前を騙った何者かに呼び出されて、殺害されていました──しかも、自分が飲み歩いた店の一軒にて・・・。

アリバイを立証するには自分をつけまわしていた【女性】(達)を探し出すしかない。

と【作家】の友人が奮闘する作品となっています。
前述の『幻の女』とは、上記の設定(展開)部分が似ているだけでその後は全く異なる展開となってきます。
サスペンス要素はあるものの謎解き要素が薄い作品です。

■『生ける人形』
 ショートショートです。
ある【女性】が突然、面識がないと思われた【男性】を・・・。
【女性】の告白──不思議話と思いきや・・・・・・。

■『女怪』
 「八ツ墓村」後、ある【女性】に恋した「金田一耕助」・・・【女性】の過去に起因した脅迫/殺人事件へと。
私が忘れているだけなのかな・・・恋する「金田一耕助」──意外です。

■『百日紅の下にて』
 今回は読み飛ばしてしまいました・・・何故なら、再・再・再読ぐらいになるからです。
 衝撃/印象的な長編は細かい内容を忘れているため、いくら再読しても気にならないのですが、ボリュームの少ない短編となると。
 でも内容を覚えているって事は、それだけ印象的な作品──トリックが凄いのか・・・・・・う~ん、でもないんだけど何故なんだろう、タイトルおよび内容をハッキリ覚えています。
 「金田一耕助」、探偵デビュー直前の話?・・・に該当するのかな。

■『鴉』
 「磯川」警部に連れられて「金田一耕助」、【温泉】へ。
 でも「磯川」の狙いは三年前に発生した《人間消失》・・・その現場には三年後に戻ってくるとの手紙があり、《消失》から丁度、三年目の日が近づいて・・・。

ちょっと印象に残った作品が少なかったかなあ・・・メインの中編『女が見ていた』についての読み手の好みが影響していると思うのですが。

(記:スッタコ小僧)

2008年7月 2日 (水)

【書籍】『そのケータイはXX(エクスクロス)で』読破

 「上甲宣之(じょうこう・のぶゆき)」著、【ホラー・サスペンス】小説です。

 失恋を気遣った元気な友人に強引に誘われて山間の世間とは幾分隔絶された土地へ【温泉旅行】に来た女子大生二人──。
一人、温泉へ行っている友人を旅館の部屋で待っていると・・・突然、押入れにあった見知らぬ携帯が鳴り出します。
出てみると

<逃げるんだ>
<脚を斬り落とされるぞ!>

との警告・・・。
「阿鹿里(あしかり)村」──亡くなったご神体の代わりに「片目」・「片腕」・「片脚」を奪った女性を"生き神"として崇(あが)める習慣が・・・昔の話だと思いきや、村ぐるみにて現在も続いているとの警告内容です。

 上記より──懸命に村からの脱出を試みる──温泉へ行っている友達にも別方面から【魔の手】が迫り、息をつかせぬ《怒涛の展開》となっています。

【書籍】に限らず【映画】など、ホラー系の作品を見た時に多々感じる《イラツキ》感・・・多くはあまりにも登場人物達は自ら「悪い方向」へと進んでくる事から、見ているこっちがストレスが溜まるのが原因です。
けれども、本作については上記の《イラツキ》は感じません、各々とても《機転がきく》からです。(最終的にはあまりに頭が回りすぎて・・・なのですが。)

 このジャンル(および前述のあらすじ)にしては【重い】感じの残らない、(悪い意味ではないのですが)【軽い】という読後感です。

(記:スッタコ小僧)

2008年7月 1日 (火)

【書籍】『トポロシャドゥの喪失証明』読破

 「上遠野浩平(かどの・こうへい)」著──んっ【長編新伝奇小説】?、確かに良く分からない点が【新】とつく理由かもしれませんが。
『ソウルドロップ彷徨録』・・・他人には何でもない品物でも当事者にとっては《生命と同等の価値のモノ=キャビネッセンス》、盗まれると死んでしまう未だ正体が掴めないモノ。
上記を盗む謎の怪盗/殺人者?「ペイパーカット」──彼自身、《キャビネッセンス》とは何かを盗む/観察する事により研究しているようなのですが・・・。
 怪盗に目を付けられた人々、そして怪盗を執念深く追う「サーカム保険会社」のコンビ・大企業グループ「東澱(ひがりおり)」の令嬢などなど絡めて物語は進んでいきます。

今回は「位相幾何学(トポロジー)」の名を持つ前衛的なガラス工芸品・・・「トポロス」を製作する【女性工芸家】の姉が展示会場で不審な死を遂げます。
催事場の保険を引き受けていて事件に巻き込まれる【損保マン】を中心にまたしても「ペイパーカット」の《実験開始》でしょうか?。

ここまで色々書いてきて用語がたくさん飛び交っていますが、読んで直ぐ感じる印象は

《希薄》

の一言です。
登場人物、事件、展開共に《希薄》・・・本シリーズ全体を通して、この印象が抜けません。(そこが変な魅力に感じる事も時々あるのですが。)
著者の意図を読み取ろうなどと言った事は考えてもいませんが、なんだろう・・・物語としては一応まとまっているのですが、この読後感は──。

ボリュームも少ないため、しばらくは本シリーズ付き合っていこうと思います。
でも明らかにシリーズ未読者は置いてけぼり、シリーズを読んでいる人にとっても着いていくのがやっとと言うか、私は着いていけてるのかなあ(周回遅れ?)。

(記:スッタコ小僧)

2008年6月27日 (金)

【書籍】『びっくり箱殺人事件 新版 横溝正史全集7』読破

 表題作と『夜歩く』の中編2編が収録されています。
詳細は後述しますが、『夜歩く』の方はおなじみ名探偵「金田一耕助」が登場(終盤少しだけですが)、表題作は残念ながら登場しませんがこちらは【雰囲気】が異なるので当然かも。
本著者の作品は文庫版やら色々と読んでいるので、既に過去に一度読んでいる作品かもしれません。
けれども、お馴染みの【雰囲気】および【犯人】の意外さ(親しんでくると分かってくるのですが)に面白さの《衰え》を感じません。

それでは各編の説明を・・・順序は記載順序に従い『夜歩く』から

●『夜歩く』
 <お馴染み>旧家・・・その名も【古神家】における<オドロオドロしい>殺人事件発生です。
 画家がバーで見知らぬ女性に太ももを撃たれるという事件から、恐ろしい【首切り】殺人へ・・・。
 加えて、犯行に使用された【刀】──犯行時には金庫に入っていたのですが・・・。

 お得意の【雰囲気】と定番【首切り】の捻り・・・でもなんといっても本作の魅力は【犯人】の正体です。
 読了後、同名タイトルの作品より、別の有名な推理小説を思い起させられる作品です・・・逆にタイトルを同じにしたのは上記の謎を隠すための《引っ掛け》(カモフラージュ)と勘繰ってしまいました。(まあ、私は同名タイトルの方は内容を良く覚えていないのですが・・・。)

●『びっくり箱殺人事件』
 まるで【雰囲気】が異なります・・・殺人事件なのにおかしいですが「ドタバタ喜劇」の展開が多々あります。
 登場人物の名前からして大いに「弾けている」作品です。

・深山幽谷
・芦原小群(ショーグン=将軍?)
・半紙晩鐘(半死半生?)
・柴田楽亭(シバラク)
・灰屋銅堂(ハイヤー、ドウドウ)
・顎十郎

などなど。

 まあ、役者さん達なので芸名だろうと思うのですが──。
舞台にて開けた箱から短刀が飛び出して・・・殺人事件発生です。

 殺人事件前には、同じ舞台で古今東西の怪物に扮する前述の登場人物・・・役者達が何者かに《ボエン》──殴られて全員「顔にブチ」を作られていました。
犯行方法および凶器から犯人は舞台関係者に絞られてくるのですが・・・次々と新たな事件発生して警察はてんてこ舞い──

といった内容です。

長編も面白いですが、一つの話が適度な短さで「スラスラ」と読めて内容も衰えない著者の短編/中編集・・・とても有り難いです。

(記:スッタコ小僧)

2008年6月22日 (日)

【書籍】『銀の檻を溶かして 薬屋探偵妖綺談』再読

 「高里椎奈」著、妖怪三人が活躍する異色の推理小説・・・第一弾です。
【新章】開始と思ったら、結局「元鞘」に戻った本シリーズ──とりあえず区切りが良かったので第一作目を再度、手に取ってみました。

いやあ、内容について全然、覚えていませんでした。
原因はシリーズの作品数が多い事ではなく、やはり【内容】です。
『メフィスト賞』を受賞した本作品・・・本来であれば一番、記憶に残っていても良いものなのですが。
仮に賞を受賞していなくても、シリーズの原点・シリーズを読み続ける原動力となった最初の作品がこんなにも印象が薄いものだったなんて──。

 本作品ではどちらかと言うと《妖怪色》の方が強い・・・
事件では、足跡のない【雪の密室】・【密室からの脱出】などが出てきて期待を煽りましたが、その真相は「(読んで)ガッカリ」・・・正直、まだ<妖怪の特殊能力>だったという真相の方が──。

 動機も伏線もゴチャゴチャしすぎ・・・続く作品~今後のシリーズ化を前提に本作を書いていたわけではないと思うのですが、登場人物が少し多すぎではないでしょうか。
全登場人物をフォローするにはあまりにボリュームが・・・まあ、個々にインパクトを与えようと個性を溢れさせようと奮闘していますが。

 その後の作品でも感じた事なのですが、やはり「イメージ」しづらい作品です。
妖怪・事件の模様など全てにおいて・・・前者はともかく、後者が「イメージ」しづらいのは謎解き推理小説として厳しいモノがありました。(私の読解力の問題ですが・・・。)

(記:スッタコ小僧)

2008年6月19日 (木)

【書籍】『転生』読破

「篠田節子」著、ジャンルは・・・最近良く見かける故「宇山日出臣」(編集者)さんに関する著者からの言葉があった事から、てっきり【推理小説】かと思って手に取ったのですが──。

内容は、

《ミイラとなったチベットの高僧が十数年ぶりに突然、動き出す》
《チベットの民のために動き出す》
《陰謀に気づき、打開に動き出す》

といった話になっています。
一点目のミイラが動き出す点から、さながら【奇跡】でも起して回るのかと思いきや・・・既に死んでいる以外に特に特別な能力はありません。
感情の起伏が激しく、ある意味とても人間味に溢れています。

激しい/派手な作品にばかり最近は触れている事から、あまり起伏のなく静かに進む本作は少し読むペースが落ちました。
けれでも、私は「聖火」のニュースでやっと知った【チベット問題】・・・「一年前」の作品である本書で、既に題材として扱っていた事に感心しました。
単に私があまりにも世界情勢に無知だった事の表れですが・・・。

(記:スッタコ小僧)

2008年6月18日 (水)

【書籍】『コスプレ幽霊 紅蓮女』読破

 「上甲宣之(じょうこう・のぶゆき)」著、【怪奇小説】です。

見ていなかったのですが
■テレビドラマ化されていた事

■表紙の~『このミス』(※)大賞シリーズ~の文句
※『このミステリーがすごい!』

に惹かれて、借りて読みました。(同じく表紙に記載されている~「都市伝説がいっぱい!」~は、ちょっと誇大広告です・・・・・・。)

 陰気で孤独な小学校の女教師である主人公・・・その隠された趣味は、自ら広めた都市伝説「紅蓮女」にコスプレして、《四十八手の【脅人(きょうじん)】技》を駆使して、人を驚かす事です。
 そして巻き込まれる事件──ついには本物の幽霊なども混ざって(※1)・・・・・・。

上記の下線部(※1)がまず、私には「ネック」になりました。
まあ、辞書を引くと「ミステリー」は

1.神秘的なこと。不可思議。なぞ。
2.怪奇・幻想小説を含む、広い意味での推理小説。

とあります。
私は、上記の「2」の意味で捉えていたので・・・【謎解き】を大いに期待していたら、その期待は裏切られる結果となりました。
また、本物の超常現象が出てくる事も想定してなかったので、二重にショックでした。

なにやらマイナスイメージを与える感想ですが、上記はあくまで私が(「あらすじ」等により)本作に頂いていたイメージが裏切られただけであって、面白くなかったというわけではありません。
読み始めると止まらず、通常は通勤時間だけ読むのですが帰宅してからも読み続けてしまいました。(普通は、翌日の通勤時間に回すのに。)

 ただ、どうも【唐突】・【破天荒】との感想は否めない、そして読了後【不完全燃焼】との印象も・・・最近の作品で多いなあ──でも、小説に限らず最近は-そのような-事が多いので。

最後に一言・・・「紅蓮女」は「女《バットマン》」ではなく、例えるなら「女《黄金バット》」だなあと思ってしまった──。

(記:スッタコ小僧)

【書籍】『刀語 第十話 誠刀・銓』読破

 「西尾維新」著、『刀語』シリーズ第十作目【誠刀・銓(セイトウ・ハカリ)】です。

 「奇策士・とがめ」と刀を持たない剣士「虚刀流(きょとうりゅう)七代目・鑢七花(やすりしちか)」の国をも動かすと言われる「四季崎記紀(しきざききき)」の【変体刀完成形十二本の蒐集】の旅「第十弾」です。

今回は、【刀休め】の回かな──第十一話と最終巻である第十二話前の《一整理(ひとせいり)》といった所でしょうか。

「否定姫」の正体など重要な秘密の披露などがありましたが、全体的に起伏がなく【静かな】内容となっています。

【誠刀・銓(セイトウ・ハカリ)】を求めて、「とがめ」が捨て去った生まれ故郷に【里帰り】、そして今回の相手は【仙人】ともっと大きな展開となると思ったら・・・ただ、闇雲に<直進>するのではなく時には<後退>も必要である事を「とがめ」が悟った回でした。
今後の終盤にこの教訓がどう生きてくるのか/活きてくるのか・・・。

 それにしても「真庭忍軍」・・・通称「まにわに」。
十二人もいたのに現在は・・・本当に寂しくなってきました。

■真庭鳥組三頭領
・『神の鳳凰』:真庭鳳凰
・『巻戻しの鴛鴦(おしどり)』:真庭鴛鴦
・『逆さ喋りの白鷺』:真庭白鷺

■真庭獣組三頭領
・『伝染の狂犬(けふけん)』:真庭狂犬
・『冥途の蝙蝠』:真庭蝙蝠
・『読み調べの川獺(かわうそ)』:真庭川獺

■真庭虫組三頭領
・『首狩りの蟷螂』:真庭蟷螂
・『無重の蝶々』:真庭蝶々
・『棘々の蜜蜂』:真庭蜜蜂

■真庭魚組三頭領
・『長寿の海亀』:真庭海亀
・『鎖縛の喰鮫(くいざめ)』:真庭喰鮫
・『増殖の人鳥(ぺんぎん)』:真庭人鳥

・・・特に「虫組」は一気にやられたしなあ。

(記:スッタコ小僧)

2008年6月17日 (火)

【書籍】『刀語 第九話 王刀・鋸』読破

 「西尾維新」著、『刀語』シリーズ第九作目【王刀・鋸(オウトウ・ノコギリ)】です。

 「奇策士・とがめ」と刀を持たない剣士「虚刀流(きょとうりゅう)七代目・鑢七花(やすりしちか)」の国をも動かすと言われる「四季崎記紀(しきざききき)」の【変体刀完成形十二本の蒐集】の旅「第九弾」です。

残りも少なくなってきました・・・「真庭忍軍」(通称:まにわに)も少なくなってきました。
元々シリーズ全編を通して登場する人物が少ない分、本当に寂しくなってきました。

けれどもここでまた、今までの対戦相手とは毛色が違った人物登場です──普通というか【真面目】。
まあ、今までの対戦相手があまりに奇抜だったので、余計に上記のように感じるのでしょう。

 最強/最凶の相手・・・【悪刀・鐚(アクトウ・ビタ)】所有者との対戦から、やっと【温まってきた(エンジンがかかってきた)】「とがめ」の《奇策》──。
今回も炸裂──というか今回が一番《策》らしかったかな。

 上記の《奇策》の他は、見所が少なかったかな──いや一点ありました。
「とがめ」が「七花」に習った【剣術】を忘れさせるために行使した【術/技】・・・ちょっと扱いは小さかった(文章的に短い)分、逆に──。

(記:スッタコ小僧)

2008年6月15日 (日)

【書籍】『邪魅の雫(じゃみのしずく)』読破

 「京極夏彦」著、《憑物落とし》を行う【古書肆(こしょし)】「中禅寺秋彦」(屋号から「京極堂」と呼ばれる)が活躍する【妖怪・探偵/推理小説】です。

前作『陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず)』が私の中では「ちょっと・・・いただけない。」といった印象を持った作品だけに本作は、今後もこのシリーズを読み続けていくかの岐路となる(私にとっては)《重要》な作品となりました。

結論から言うと、《本シリーズ、今後も益々楽しみです。》

 読んでいてその【雰囲気】および【事件の内容】、【登場人物】などなどから、物語内で徘徊する《妖怪》が見えてくる本作の醍醐味が溢れている作品です──特に今回は、その正体が分かり易く描かれていました。(前作の「陰摩羅鬼(おんもらき)」は、今思い返してもどんな特徴を持った《妖怪》だったか思い出せない・・・形態は鳥だったような気がするけど。)

いつも読んでいる作品と比較するといつも通りボリューム<大>なのですが、「グイグイ」読み進める事ができました。
初めは複数人の視点から描かれ、情報量が多くて【登場人物】・【相関関係】を自分の中でまとめるのに四苦八苦しましたが、そこが《狙い目》なのか本作──だんだんと読者の方にて関連が見えてくるに従って、人間の中に蠢く今回の【邪魅(じゃみ)】という《妖怪》の存在が感じられるようになってきます。

そして終盤一気に「京極堂」によって《明かされる/落とされる》【(各々の)世界】・・・前作では【推理小説】部分にて「ちょっと・・・~」と感じたのですが、今回は【推理小説】部分も「バッチリ」です。

 次々と発生する連続毒殺事件・・・犯人側の視点を読んでいる読者にも、事件全体像が見えてこない・・・まして作中の警察・探偵(助手)に至っては本当に五里霧中となる事件発生です。

いつもの【探偵】(「榎木津」)、【警察】(「木場」)の活躍が残念ながら少ないのですが、代わりに
【探偵(助手)】「益田」、【警察】(「木場」と一緒に降格した)「青木」、そしていつも通り【小説家】「関口」の三者が活躍といかないまでも前面で頑張っています。

(記:スッタコ小僧)

2008年6月10日 (火)

【書籍】『刀語 第八話 微刀・釵』読破

 「西尾維新」著、『刀語』シリーズ第八作目【微刀・釵(ビトウ・カンザシ)】です。

 「奇策士・とがめ」と刀を持たない剣士「虚刀流(きょとうりゅう)七代目・鑢七花(やすりしちか)」の国をも動かすと言われる「四季崎記紀(しきざききき)」の【変体刀完成形十二本の蒐集】の旅「第八弾」です。

前作『~第七話 悪刀・鐚(アクトウ・ビタ)』では(真の)《日本最強決定戦》──【大一番】を繰り出してしまった後で、この第八話では「どのような展開/対戦相手が待っているのか」と期待・不安を感じつつ読み始めました。

 タイトルから今回の【刀】は「極小の刀」か何かだと思っていたのですが・・・残念ながら今回の【刀の特性】・【対戦相手】は詳しく記載してしまうと未読の方の楽しみが激減してしまうので、ここまで。(まあ、人が住んでいない「壱級災害指定地域」の一つ「不要湖」に住む【四本の刀を操る沈着冷静な敵】とだけ記載しておきます。)
 「とがめ」の鋭い【洞察】と(前作と同様に)【奇策】を発動する点が《見所(読み所)》の一つとなっています。(まあ、【奇策】というには少し大袈裟ですが・・・。)

 今後に続く一番の《見所(読み所)》は、

■「否定姫」との対面
■「否定姫」──《この世界の理》を知っている事を匂わす言動
■「否定姫」の側近「左右田右衛門左衛門(ソウダ・エモンザエモン)」正体/実力を披露(実力については一端?)
⇒「とがめ」達とは休戦協定締結中の「真庭忍軍」(通称「まにわに」)退治に乗り出す

「とがめ」のライバル「否定姫」が物語の内容(今後の展開)に大きく勢力を伸ばしてきている点かと思います。

(記:スッタコ小僧)

2008年6月 9日 (月)

【書籍】『女検死官ジェシカ・コラン』読破

 「ロバート・ウォーカー」著、FBIの女性【検死官】「ジェシカ・コラン」を主人公にした【サスペンス小説】です。
 何冊も続いているシリーズのようですが、私は本著者の作品は初めて読みます。

 最近、知っているシリーズ・著者の作品ばかりに手を伸ばしていて、【冒険】する事を忘れていました。
未知の著者の作品に手を伸ばし《当たり》を引いた時の「嬉しさ」を久しぶりに実感するため、少し【冒険】してみました。
まあ、本作はシリーズ物となっている(続編が出ている)事から「そう、大きなハズレ」はないだろうとの打算はあったのですが──。

 FBIの心理分析官の上司と組み、人間の血を一滴残らず抜き取る犯行を繰り返す犯人を突き止める様を【FBI(主人公)側】と【犯人側】から描いてます。

特に「謎解き」や「どんでん返し」、「【検死官】の専門知識が活躍」などは全くありません。(どこに「どんでん返し」の伏線が・・・などなど気張って読んでいた分、「肩透かし」を食らいました。)
ただ、犯人の【不気味さ】・【怖さ】が伝わってきて、《ハラハラ》する作品ではあります。
《【犯人側】の描写》の「うまさ」が本シリーズの続いている要因かな?・・・ただ私が期待する【推理小説】とは趣が異なる作品なので、シリーズ続編を手に取るかは微妙です。

(記:スッタコ小僧)

2008年6月 7日 (土)

【書籍】『魔界都市<新宿>【完全版】』読破

 「菊地秀行」著、【念法】継承者(?)・木刀《阿修羅》を持ち「妖鬼」と闘う「十六夜京也(いざよい・きょうや)」を主人公にした

『魔界都市<新宿>』
『魔宮バビロン』(続編)

合本となっています。

 本著者・・・私が一番最初に触れた作品が悪かったのか誤解していました。(最近、『吸血鬼ハンターD』シリーズを一冊読んで、少し誤解は解かれつつあったのですが・・・。)
【SF】と【怪奇(ホラー)】融合した著者独特の雰囲気を全開にした《ヒーロー物》です。

 舞台は近未来、「新宿」のみに被害を及ぼした大地震・通称《魔震(デビル・クェイク)》から数十年──。
高校生の「十六夜京也」、実は父親から鍛えられた物理法則すら凌駕する【念法】の達人です。
 逃亡犯罪者や異形の物達の巣窟となった「新宿」に住む【魔道士】に呪いをかけられた父親を持つ【美少女】「羅摩さやか」からの頼みでたった一人、父親の形見《阿修羅》を片手に魔都「新宿」に乗り込みます。

 土、水、火を操る「妖鬼」との闘い、怨霊ライダーと・・・『ゴーストライダー』[映画]の【元ネタ】か?と見紛うばかりの展開──。
また、時代背景が《近未来》なので、サイボーグ・エスパーなどなど近未来兵器なども盛りだくさん登場です。

 【SF】なら未来⇒機械・機械で怪奇色なし、【魔法】(・【ホラー】?)なら中世⇒お城・森・騎士の世界感を求める人にとっては「おいてけぼり」になる(というか馴染みにくい)内容です。(私もちょっと・・・正直、乗り遅れました。)

まあ、素直な展開にて純粋に世界感の少し変わった「世界を救うヒーローの活躍物」として楽しめました。

 続編『魔宮バビロン』の方は、前作【主役】「十六夜京也」と【ヒロイン】「羅摩さやか」に加えて

 前作ではいい場面での【サポート】役・「新宿」に住居を構える「メフィスト」が、本作では【主役】を食う勢いで活躍する内容となっています。

 また今回は、「新宿」に突如巨大な建造物「空中庭園バビロン」が登場するのですが、【SF】色が薄まって「京也」の前に強敵《三騎士》が登場するなど前作の雰囲気よりは溶け込み(親しみ)易くなっている作品です。

 本シリーズ、主役/登場人物(?)を別に設定した「スピンオフ」作品が多々あるようなので、機会があったら手に取ってみようと思います。

(記:スッタコ小僧)

2008年6月 3日 (火)

【書籍】『封神演義(下)』読破

 「安能務」訳、『封神演義』全三巻のついに【最終巻】、下巻を読み終わりました。
前巻である『~(中)』から続いて、引っ切り無しに【バトル】、【バトル】の展開です。

 相変らず、いくら武芸に秀でても【通常の人間技】では(最終戦を除き)《あっけなく》やられてしまう戦いとなっています。

読んでいて一番気になったのは、あまりにも【死があっけない】事です。
『~(上)』と『~(中)』でいくら活躍している登場人物でも・・・その死に様は本当に一瞬──こんなに「あっさり」とした記述で「さよなら」とは。
この【殺伐】とした雰囲気で淡々と綴られる点が逆に印象深めている部分もあります。

全体を通して文章中、読みづらい漢字などが多々ありましたが「3巻」との分量の少なさも手伝って今まで読んできた同系統の作品と比較するとスラスラ読めたと思います。
本作、【心情】・【戦いの描写】に力を入れて記述されているわけでもなく、本当に《淡々》と進んでいきます。
国/統治者が変わる革命の話ですが、何だか【静かに】読み終わりました。

 最後に下巻の目次を──

第六三回:申公豹(しんこうひょう)が殷郊(いんこう)を説反する
第六四回:羅宣(らせん)が西岐城に火を焚(か)ける
第六五回:殷郊が岐山で犂鋤(りじょ)に遭う
第六六回:洪錦(こうきん)が西岐城下で奮戦する
第六七回:姜子牙を武王が「将」に拝す
第六八回:首陽山で夷斉が路を遮る
第六九回:孔宣が金鶏嶺で征途を阻む
第七〇回:準提道人が孔宣を収める
第七一回:姜子牙、兵を三路に分ける
第七二回:広成子が碧遊宮に拝謁す
第七三回:青竜関で黄飛虎が兵を折る
第七四回:鄭倫陳奇二将が神通を顕(あら)す
第七五回:土行孫が騎を盗んで捕われる
第七六回:鄭倫が汜水関の二将を捉える
第七七回:太上老君が一気を三清と化す
第七八回:道仏三教主が誅仙陣を破る
第七九回:穿雲関にて四将擒(とら)われる
第八〇回:楊任が下山して瘟司(おんし)を破る
第八一回:姜子牙、潼関で痘神に遇う
第八二回:三教主が万仙陣に会戦す
第八三回:三大師が獅象■(こう)を収める
 ■(こう):獅頭狼
第八四回:姜子牙が臨潼関を攻める
第八五回:鄧芮(とうぜい)二侯が周主に帰す
第八六回:澠池(めんち)城で五岳が昇天する
第八七回:土行孫夫妻が陣に没する
第八八回:武王の竜舟に白魚が躍る
第八九回:紂王、骨をわり妊婦を裂(さ)く
第九〇回:哪托が神茶欝塁(しんとうつるい)を灰に帰す
第九一回:蟠竜嶺にて鄔文化(うぶんか)を焼く
第九二回:楊戩と哪托が七怪を収める
第九三回:金■(たく)木■(たく)が遊魂関を取る
第九四回:文煥、怒りて殷破敗を斬る
第九五回:姜子牙が紂王の十罪を暴く
第九六回:姜子牙が妲己を生け捕らせる
第九七回:紂王が摘星楼で自焚(じふん)する
第九八回:武王が鹿台(ろくだい)で財を散ずる
第九九回:姜子牙、岐山にて神を封ず
第一〇〇回:武王が列国諸侯を封ずる

(記:スッタコ小僧)

2008年6月 1日 (日)

【書籍】『女王様と私 The Queen And I』読破

 「歌野晶午」著──著者から本格的な【推理小説】を期待して手にとったのですが・・・。(でなければこの「タイトル」では・・・。他の作品も該当しますが、この著者はタイトルが・・・いまいち?。)

 今回は「ハズレ」でした───。

本作は、

 人形を妹として独りでおしゃべり、仕事にも就かず年老いた両親と暮らす【男性】・・・。
 外出先で脅されて、以後「言われるまま」にフランス料理・高級寿司と奢らされる【男性】・・・。
 その相手は・・・12歳の【少女】

という内容です。(設定は意表をついて面白いと思ったのですが。)

 【少女】の同級生が殺害されて【男性】が奮起、探偵活動を行うとの流れになっているのですが・・・。

《暗い》・・・著者は色々と現代社会/人間の闇の部分を扱う作品も多いので、予感はしていましたが。

 読む事に挫折しそうになったのは終盤・・・「ああ、こっち系の結末へ持っていく作品だったのか」

(記:スッタコ小僧)

2008年5月29日 (木)

【書籍】『エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ』読破

 「深水黎一郎(ふかみ・れいいちろう)」著、「呪われた芸術家たち(レザルティスト・モウディ)」・・・ほとんどが存命中に絵が売れず悲劇的な最後を迎えたパリの画家達に纏わる話を織り交ぜた【推理小説】です。

著者の作品、初めて読みました・・・2007年に『ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!』で「第36回メフィスト賞」を受賞してデビューとの事です。
残念ながら、本作を読んだ後に一作目も読みたいとは思わなかったのですが・・・。

 正直、文章および内容が【おカタイ】・・・。

 捻りがなく「そのまま」で手を伸ばし辛い「タイトル」通り【パリの画家達】についての《知識》が散りばめられています。(そこはタイトルおよび背面のあらすじ説明から想定通り)
読んでいて私も名前だけ聞いた事がある、または表紙の絵にて「ああ、この絵見た事がある。」と思った作品もあります。(表紙の絵に気づくのが遅れました・・・読んでいてさすがに文章だけでは絵の内容は伝わらないと思っていたら。)
 上記の《知識》だけなら、タイトルからある程度「覚悟」があったのですが、事件が発生し主な「視点」となる警察の組織・捜査方法・鑑識についての【薀蓄(うんちく)】にて文章の大部分が占められてくると・・・ちょっと辟易です。
丁寧な説明だなとは思うのですが、正直そのような内容に大部分を割かれると・・・登場人物達のやり取りも「カタイ、カタイ」。

 一番「残念」に感じたのが・・・【密室】。
まあ、本作は【密室トリック】よりも比重が置かれているモノがあるのであまり声高に言うことではありませんが、「読者への挑戦状」を挟んでいるわりにはあまりにも・・・。

 自室でナイフで一突き、窓に外には飛び降りたと思われる足跡が・・・。
 ただし、窓には閂(かんぬき)鍵がかかっており、しかも被害者の血が塗り籠められていて。(もちろんドアは施錠。)

終盤までは上記【謎(トリック)】で引っ張ってきたのに、ちょっと納得できない【解答】でした。

 さて、最後にどんな画家について記載されているか少しだけ・・・

■モディリアーニ
■ハイム・スーチン
■ジュール・パスキン
■キスリング
■ユトリロ
■藤田嗣治
■佐伯祐三

(記:スッタコ小僧)

2008年5月27日 (火)

【書籍】『新装版 カディスの赤い星(上)(下)』読破

 「逢坂剛(おうさか・ごう)」著、第96回直木賞、第40回日本推理作家協会賞、第5回日本冒険小説協会大賞のトリプル受賞の【冒険小説】です。

 以前に図書館で「新装版」ではない「上巻」のみ見かけていて、「下巻」があったら一緒に借りて一気に読んでみようと気にかけていて・・・一年経過。
ついに「下巻」を見かける事はありませんでした。
 けれども代わりに「新装版」の「上下巻」に置き換わっているのを見つけました・・・今回やっと読了です。

  主人公は小さなPR会社を経営する男性・・・お得意様である「日野楽器」からの依頼を受けて20年前にスペインを訪れた「サントス」と名乗った一人の日本人(当時、青年)を探す事に。
 「日野楽器」がスペインから呼んだギター職人「ラモス」老人の建っての希望・・・「サントス」は素晴らしい弾き手だったのですが、当時は予約が一杯で「ギター」を渡す事ができなかったため、今度こそ渡したいとの【美談】。
 ところがその【裏】には・・・単なる「人探し」から、事態はスペインまで赴く大きな事件へ

と言った内容です。

 「ギター」・「スペイン」・「フラメンコ」・「PR業界」などなど私にはあまり馴染みのないモノが大きく絡んできます。
けれども上記【知識】がなくても分かり易くて、グイグイ引き込んでくれます。
 主人公は頭は切れ「ギター」・「フラメンコ」に造詣が深く、「スペイン」語を話せる男性・・・けれども肉体的・体術に優れた<ヒーロー>ではありません。
その人物が秘密警察・過激派といった面々に巻き込まれながらも、奮闘する姿が格好良い・・・期待通りの【ハードボイルド】小説でした。

 ただどうしても一点だけ「どうして、ここで。なんで・・・。」と私個人的には納得したくない必要以上に暗くする展開がありましたが。

(記:スッタコ小僧)

【書籍】『闇の守り人(もりびと)』読破

 「上橋菜穂子」著、絵「二木真希子」さんの【女用心棒・短槍使い「バルサ】を主人公とした『精霊の守り人』に続く【ファンタジー小説】第2弾です。
前作と同様に古本屋で手に入れた読み手に大人を意識して漢字を増やした軽装版を読みました。

 大人の読者は『精霊の守り人』より『闇の守り人』の方を「一番好きだ」との記載が「あとがき」にあります・・・納得です。

 タイトルの【闇】という言葉から連想されるように全体の雰囲気は一環して【暗め】です・・・「バルサ」には《暗い地の底》における乗り越えなければいけない《辛い戦い》が待っています。
けれどもそれを乗り越えて、最後に明かされる故郷「カンバル」の【大いなる秘密】・・・《人の思い》について読了後に余韻を残す作品となっています。

 ちょっとずつ読むつもりが、止まらなくなり一気に読み進めてしまいました。(ボリュームが適度で良かったです。でなければ寝不足になっていた所です。)

 汚名を着せられ死んだ養父「ジグロ」の汚名を晴らすため故郷「カンバル」へ戻った「バルサ」。
汚名を晴らすといっても敵(かたき)である「ログサム王」は既に死去しており、「ジグロ」のかつての周りの人へ真実を伝える・真実の姿を知ってもらう程度が目的だったのですが・・・。

 「ログサム王」の【陰謀】は根が深く、【陰謀】と【幼い「バルサ」を護って闘った「ジグロ」の行い】が・・・「カンバル」存亡を賭けた《未曾有の危機》を招く事に。

 「カンバル」の大地の謎・・・土地が豊かでない「カンバル」の民を救う二十年に一度、採れる高価な宝石「ルイシャ(青光石)」
 「ルイシャ」をもたらす《山の王》と槍の達人《闇の守り人》「ヒョウル」の【正体】とは・・・

 魅力的な【謎】とまたしても【逃亡劇】を絡めつつ、緊迫した展開が続く内容となっています。(初め、「バルサ」を除いた前作の登場人物が出てこないのが少し残念に感じていましたが、読み進めるとそんな事は忘れてさせてくれます。)

 《闇の守り人》・・・不吉な響きですが、その正体は・・・まさに【守り人】。

(記:スッタコ小僧)

2008年5月25日 (日)

【書籍】『精霊の守り人(もりびと)』読破

 「上橋菜穂子」著、絵「二木真希子」さんの【ファンタジー小説】、読み手に大人を意識して漢字を増やした軽装版を読みました。
丁度、アニメ化作品を見ていた事もあり古本屋で見かけて「原作はどんな感じ?」と興味を持ち、購入しました。

 アニメも来月(6月)発売のDVDにて【最終回】を迎えるようなので「アニメの【最終回】を見終わってから、読もう。」と思っていたのですが・・・。

 前半、ちょっとだけ読むつもりが(ボリュームの関係もありますが)一気に読んでしまいました。
アニメ化作品は、原作に対してエピソードを追加し大きくボリュームアップしているので、結末を読んでしまいましたが「アニメではどんな戦い・最後を・・・」と逆に期待度がアップ、来月の楽しみが増加しました。

 さて、本作品ですが《無駄を省いたスッパリ・切れ味の鋭くスピード感溢れる内容》となっています。
アニメ化作品との比較による影響が大きいのですが、上記が一番の印象です。

 良くこの内容で一冊に収まったなあと思います・・・《無駄を省いた・・・》と記載しましたが、「過不足がない・十分な」内容となっています。
精霊の卵を産み付けられた第二皇子「チャグム」・皇子を守る女用心棒「バルサ」、帝からの追手「狩人」との死闘・逃亡劇から、卵喰い「ラルンガ」と死闘・・・その世界感の説明、人物達の関連などなど何冊に渡ってもおかしくない内容を【この一冊】に。

 アニメ化作品を見ずに本原作を先に手に取っていたら・・・描かれている世界(土地)の色々な伝承・逸話・伝統・習慣が最後に巧みに収束する点に【脱帽】です。(アニメと違い、収束するまで時間が空かなかった分、驚きも大きかったです。)
※アニメはアニメで色々、アレンジで楽しめます・・・「さすがNHK?」、登場人物全員が【良い人】になっています。個人的には【鍛冶屋】の追加が大成功だと思います。

 同古本屋にて続編『闇の守り人』も手に入れています・・・養父「ジグロ」の汚名を雪ぐため、故郷「カンバル」に帰ってきた「バルサ」、楽しみです。

(記:スッタコ小僧)

2008年5月24日 (土)

【書籍】『警視庁幽霊係』読破

 「天野頌子(あまの・しょうこ)」著、「長編ミステリー 書下ろし」との記載がありますがどちらかと言うと【連作短編推理小説】です。

 書名から大体想像がつくかと思いますが、警視庁の「特殊捜査室」・・・なんと【被害者の霊と話ができる】「柏木雅彦」警部補(三十二歳独身)登場です。

捜査室のメンバには、

・主に窃盗事件担当【物の記憶を読む女】「高島佳帆」警部
【警視庁の最終兵器】「伊集院馨」警部補
【写真に写っている人の生死を透視できる】「桜井文也」巡査部長

など色々といるらしいのですが・・・本作では思わせぶりに《名前のみの登場》です。
期待を煽っておいて、「ガッカリ」です。・・・(ワン)

 また、「柏木」警部補には通り魔事件の被害者で未だ成仏できない【女子高生の幽霊】・・・自称《「柏木」警部補の【守護霊】》の「及川結花」が「とりついて(?)」いるとの【設定】があります。
上記【設定】が類似の作品と<一線を画す>部分かと思うのですが・・・如何せん、まるきり本作品では【活きていません】、まるきり【活躍していません】。・・・(ツー)
何故なんでしょう・・・あまりに目立っていない。

加えて【被害者の霊と話ができる】能力もどちらかと言えば私には「あまり事件解決には役立っていない」ように感じました。・・・(スリー)

 上記(ワン)・(ツー)・(スリー)で私はダウンです・・・謎解き部分が薄い本作、三つのキーポイントを活かされていないと他に楽しめる部分が・・・少なすぎます。

元々、図書館にて続編の作品を見かけて「面白そうだな。」と思い、著者デビュー作のシリーズ第一作目の本作品に手を伸ばしました。
残念ながら、本作品を読んで続編に手を伸ばす確率は大幅に下がりました。
 
(記:スッタコ小僧)

2008年5月22日 (木)

【書籍】『封神演義(中)』読破

 「安能務」訳、『封神演義』全三巻の中巻です。

『~(上)』はどちらかと言うと本作品で大暴れする登場人物達の【人物紹介】で、本作は【バトル】、【バトル】の展開です。

 「姜子牙(太公望)」率いる「西岐」軍を討伐するために「朝歌」より様々な討伐隊が・・・人界を超えて仙界を巻き込んだ大戦勃発です。

 次から次へと繰り出される討伐隊との戦いで<退屈はしない>のですが、如何せん<その戦いは【力技】>・・・。

 より優れた秘密兵器「宝貝(パオペエ)」または強力な「助っ人」を呼んだ方が勝ちの「人間如きの知略・智謀は、全く勝敗に関係のない/影響しない戦い」

です。

 本作、かなり大盛り上がりの大戦が続きっぱなしです。果たして『~(下)』へどのような展開が待っているのか楽しみです。

第三〇回:周紀が武成王の造反をそそのかす
第三一回:聞(もん)太師、兵を駆して追跡す
第三二回:黄天化が潼関で父に会う
第三三回:黄飛虎が汜水関(しすいかん)で擒(とら)われる
第三四回:黄飛虎が西岐に帰投する
第三五回:晁田(ちょうでん)、兵を率いて西岐を探る
第三六回:張桂芳(ちょうけいほう)、詔を奉じて西岐を討つ
第三七回:姜子牙が崑崙(こんろん)に上る
第三八回:四聖が西岐に子牙と会す
第三九回:姜子牙が岐山を氷で閉ざす
第四〇回:魔家四将、黄天化の手に死す
第四一回:太師聞仲、征西の途につく
第四二回:黄花山の四天王が征西に従う
第四三回:聞太師が西岐で苦戦する
第四四回:姜子牙の魂魄が崑崙に彷徨う
第四五回:燃燈道人が十絶陣破りを議す
第四六回:広成子が金光陣を破る
第四七回:趙公明が聞仲を輔(たす)けて戦う
第四八回:陸圧、計を設けて公明を射る
第四九回:武王が紅沙陣に陥閉される
第五〇回:三仙姑、九曲黄河陣を擺(ひら)く
第五一回:子牙、野営を襲って聞仲を破る
第五二回:ああ、聞仲絶竜嶺に死す!
第五三回:鄧九公、勅を奉じて西を征(う)つ
第五四回:土行孫、大いに武功を輝かす
第五五回:土行孫が西岐に帰伏する
第五六回:子牙、計を設けて九公を降す
第五七回:冀州(きしゅう)侯蘇護が西岐を伐(う)つ
第五八回:子牙、西岐に呂岳(ろがく)をむかえ撃つ
第五九回:殷洪、下山して四将を収める
第六〇回:馬元、下山して殷洪を援(たす)ける
第六一回:殷洪が太極図で命を落とす
第六二回:張山と李錦が西岐を伐つ

(記:スッタコ小僧)

2008年5月20日 (火)

【書籍】『催眠──hypnosis』読破

 「松岡圭祐」著、【医療サスペンス】というより【精神病】や【催眠(療法)】について世間の誤解を解く《啓蒙書(?)》です。

 著者の『千里眼シリーズ(?)』を読みたくて、まず本作を手に取りました。

 「小学館文庫」の文庫版を読みましたが、その《表紙》から内容を大きく誤解していました。(【ホラー・サスペンス】と思っていました。)

 表紙には、血走った目で顔の目から鼻を覆う仮面をつけた女性(?)が薄笑いを浮かべています。

また、誤解を招いたのは映画版の影響もあると思います。

 「あとがき」より【サイコホラー】化した映画版についての説明がありました。
 主人公「嵯峨敏也(稲垣吾郎)」・ヒロイン(?)「入絵由香(菅野美穂)」の映画版・・・私は見ていないのですが、公開当時のCMなどの影響か【ホラー映画】と感じた記憶があります。

読み進めると内容に全く【オドロオドロしい】点はなく、メインの

■多重人格に悩まされる「入絵由香」を救うために奮闘する医師「嵯峨敏也」

■体育の授業で実施する「一輪車」ができずに友達に溶け込めない少女をカウンセリングする医師、精神病・催眠療法を誤解する少女の父親との対峙

■脳外科手術は成功したが数日後に突然半身麻痺となってしまい窮地に立たされた医師、医師の元夫(「嵯峨敏也」の上司)が奮闘

《三本柱》にて、「精神病」とは何か「催眠(療法)」とは何かを説明してくれています。(まあ、最近は「鬱」など精神的な病について色々と表面化してきており、大きく誤解している人は少なくなってきているように思えるのですが。)

 少し【オドロオドロしい】面と【サスペンス】部分について大きく期待していた分、裏切られた感じはありましたが、それは本作の内容についての【先入観】が原因です。
ただ、それを差し引いても【サスペンス】部分は若干、弱かったなあと思います。

(記:スッタコ小僧)

2008年5月17日 (土)

【書籍】『「封神演義」完全ガイドブック』読破

 「安能務」監修、『封神演義』のガイドブックです。

「安能務」訳『封神演義(上)(中)(下)』の内、まだ(上)巻しか読んでいない状態で本『~完全ガイドブック』を読むのはどうかとも思いましたが、登場人物や秘密兵器【宝貝(パオペエ)】について理解(イメージ)できたら「もっと面白く読めるだろう」と考え、手を伸ばしました。

『封神演義』の主な人物について(中にはイラスト付きで)解説してくれています。
ただ、該当人物の一生についての説明があるため、どのような【最後】を迎えてしまうのかが本編を読む前に分かってしまったのが難点ですが・・・。

また、秘密兵器【宝貝(パオペエ)】については《現代兵器に置き換える》とどのような武器/兵器に相当するのかを記載しています。

本編の記述内容ではどうも「あっさり」しすぎてイメージが沸きにくかった部分について、イメージを補う手助けをしてくれる本です。

私の場合、本書は本編を読んでいて途中で読み方を忘れてしまった登場人物や【宝貝(パオペエ)】について確認するといった点で大いに役立ちそうですが・・・。

(記:スッタコ小僧)

2008年5月16日 (金)

【書籍】『Aサイズ殺人事件』読破

 「阿刀田高(あとうだ・たかし)」著、【安楽椅子探偵】として「お寺の住職」をそえた連作短編小説です。

 表題作を含め、8編もの短編で正直《その真相に辿り着くには幾らなんでも》と思うような推理の過程もありましたが、【謎解き】を見せてくれます。

 「佐村刑事」は迷宮入りになりそうな事件があると「妙法寺」を訪れ、【和尚】と碁を打ちます。
そこで「ポツリ、ポツリ」と事件の内容を・・・それを聞く【和尚】、自分の推理が固まってくると「途端に囲碁の腕も冴える」。
 その場では解答を示さず、「佐村刑事」に【珍妙な宿題(質問/確認事項)】をいくつか・・・例えば「被害者の胸のサイズは?」(表題作)などなど。

 全く事件の真相に辿り着くとも思えぬ【宿題】・・・「佐村刑事」が持ち帰り調べた結果を持ち込むと《千里眼》とも言うべき驚くべき推理を披露との展開です。

前述したように真相に到達する【論拠】が若干、「厳しいな」と思うモノもありましたが・・・。

 事件の内容は【奇抜/突飛】なモノが少なく、どちらかと言えば《複数の容疑者から犯人を論理的に絞り込む》面白さに重点を置いている作品です。

 各編が短く・テンポ良く「スラスラ」と読めたのですが・・・若干、私には【偏見】と感じられる記述が多々あった点が読んでいて気になりました。

(記:スッタコ小僧)

2008年5月15日 (木)

【書籍】『12番目のカード』読破

 「ジェフリー・ディーヴァー」著、捜査中の崩落事故により四肢麻痺となった「リンカーン・ライム」[科学捜査専門家]とパートナー「アメリア・サックス」刑事が活躍する【ジェットコースターサスペンス&「どんでん返し」オンパレード】シリーズ第6弾です。

 ハーレムを舞台に【殺し屋】狙われる【少女】を中心に物語は進んでいきます。
今回は《何故》が焦点です、「何故、【少女】が襲われるのか、その【動機】は」と。
【少女】の先祖である140年前の解放奴隷の身に一体何が・・・今度は前述の【殺し屋】による執拗な襲撃に加えて《過去》の事件が相手です。

【殺し屋】と【少女】を警護する「ライム」達側との《緊迫感ある攻防》にて、「あっ」と言う間に終盤まで読み進めてしまいます。
でも、今回は・・・

<あれ、これが【真相】・・・ちょっと味気ないなあ>

と思ったら、

<<やっぱりもう一捻り、でもちょっと物足りないなあ>>

と思ったら、

<<<成る程、スッキリ爽快・・・この大団円に満足>>>

終盤『奈落に突き落とす(あれ、いつもより面白くない)と見せかけて、最後の「どんでん返し」で面白かった。』と評価を一変させる仕掛けが待っていました。

 また、今回は「ライム」&「サックス」コンビ以外の人物にて【魅せて】くれました。
自信を喪失して苦悩する【ベテラン刑事】、勉強中の【新米刑事】・・・そして何よりハーレムから抜け出そうと奮闘・しっかりとした信念を持つ【少女】に好感を覚えました。

(記:スッタコ小僧)

2008年5月 9日 (金)

【書籍】『双面獣事件』読破

 「二階堂黎人」著、名探偵『二階堂蘭子』シリーズの【推理小説】ではなく【怪奇・冒険小説】です。

 私の感想はまさに《【推理小説】ではなく【怪奇・冒険小説】》の一言につきます。

 【双面獣】・・・名前の通り「顔が2つ」で手は4本、足は2本の怪物、2つの村を壊滅状態に陥れます。
数少ない生き残った人の証言より、

・目から発する光線で人を焼き殺す
・口から吐く黄色い息で皮膚を爛れさせ、死に至らしめる
・神出鬼没

などなど想像を絶する能力を持っています。

 果たして「この荒唐無稽な怪物にどんな論理的な解決/解答があるのか。」と期待しつつ読み進めていたのですが・・・

「え~っ嘘、これが解答・・・というより、そのまんまじゃないか。」
「いや、絶対に別の解答が最後に用意されているはず・・・じゃないと。」

最後の最後まで「どんでん返し」があるのではと一縷の望みを抱いて、読み進めていったのですが・・・

「・・・。」

願わくは本作はかの大長編『人狼城の恐怖』の「第一部ドイツ編」・「第二部フランス編」に相当するモノだと思いたい、《解決編は別にあるんだぞ》と・・・。

前作の『魔術王事件』はトリックが分かってしまったため、私の中で評価は低かったのですが、本作と比較すればまだ【推理小説】であっただけ良かったと思います。
本シリーズ、別に【怪奇・冒険小説】を読みたくて手に取っているわけではないので・・・。
 「迷宮計画」の真相解明がメインの【謎】というにはちょっと・・・あまりにも「ありふれた真相」です。

(記:スッタコ小僧)

2008年5月 2日 (金)

【書籍】『封神演義(上)』読破

 「安能務」訳、中国の【怪奇小説】です。
『週刊少年ジャンプ』[雑誌]にて漫画化されていたと思います。(私は残念ながら、見た事はありませんが・・・。)
最近、『水滸伝』に関する書籍を読んで、本作にも興味を持ちました。
丁度、図書館にて(上)・(中)・(下)巻を見かけて、3巻ぐらいだったら読んでみようかなと思い、とりあえず(上)巻を読破です。

「商」から「周」王朝への【易姓革命】を舞台にした《怪奇歴史》モノとの事なのですが・・・あまり歴史に詳しくない私がこれ以上書くと色々と間違った事を記載しそうなので、全体的な感想を・・・

 まあ、(上)巻はこれから活躍するであろう《登場人物の色々なエピソードの羅列》(※)・・・まあ、これから【まとまって】くるとは思うのですが。
 この<細かい話>の連続も何となく味わい深いというか、私の中では<魅力>になってきているのですが・・・。
 敵味方共(妖,仙人含め)に《ある意味、とても人間性が溢れている点》が一番、印象的でした。

上記(※)より、大きく盛り上がる点がなく「続く(中)・(下)巻に期待」といった所です。

 最後に(上)巻の目次を記載しておきます・・・上記だけではあまりにも【寂しい】ので。

第一回:紂王(ちゅうおう)、女媧(にょか)宮に詣でる
第二回:女媧、三妖に密命す
第三回:冀州侯、謀叛を起こす
第四回:妲己(だっき)を朝歌に献げる
第五回:後宮に妖気が籠もる
第六回:紂王、炮烙(ほうらく)を造る
第七回:費仲が皇后を陥しいれる
第八回:方弼(ほうひつ)方相(ほうそう)、朝歌に反す
第九回:商容、九間殿に死す
第一〇回:姫昌、燕山に雷震子を拾う
第一一回:姫昌、羑里(ゆうり)に囚われる※[ゆう]の漢字,間違っているかも
第一二回:陳塘関に哪托(なたく)誕生す
第一三回:太乙真人が石磯(せっき)を焼く
第一四回:哪托が蓮で化身する
第一五回:太公望、崑崙から下山す
第一六回:姜尚(子牙)が琵琶精を焼く
第一七回:妲妃が蠆盆(たいぼん)を造る
第一八回:伯邑考(はくゆうこう)が納貢して贖罪する
第一九回:散宜生が費尤を買収する
第二〇回:姫昌、逃亡して五関を脱す
第二一回:姫昌、西岐に帰り「子」を吐く
第二二回:妲妃が妖怪を宴に招く
第二三回:妲妃、計を設けて比干を害す
第二四回:姜子牙、朝歌を離れて磻渓に赴く
第二五回:聞中、凱旋して十策を奏す
第二六回:姫昌、霊台で飛熊を夢に見る
第二七回:姫昌、渭水の辺りで車を曳く
第二八回:西伯、挙兵し崇候虎を討つ
第二九回:崇候虎を斬り文王託孤(たつこ)す

(記:スッタコ小僧)

2008年4月26日 (土)

【書籍】『霧の訪問者 薬師寺涼子の怪奇事件簿』読破

 「田中芳樹」著、「ドラキュラもよけて通る」・・・通称「ドラよけお涼」・警視庁刑事部参事官「薬師寺涼子」を最強ヒロインに据えて、(上司に振り回される)部下の「泉田準一郎」視点で描かれる【痛快(?)、怪奇小説】です。(久しぶりに本シリーズを読みました・・・一応、全巻読んでいるかなあ?。)

本作は【怪奇色】が幾分、薄まり【SF色】が濃くなっています。
当初は《違和感》がありましたが、現代的な設定と【ファンタジー色】豊かな《怪物/化物》登場の【ギャップ】(+社会批判[?])が本作の特徴と私は捉えていたので、何か《普通》になってしまった・・・との印象です。

「薬師寺涼子」と「泉田準一郎」の関係は・・・いつにも増して全く進まないというか描写が少なくて、ちょっと「ガッカリ」です。

事件は多発するのですが最後の事件を除いて【怪奇】はなく、タイトルの【霧】の出番も・・・少なすぎます。

最後だけ【怪奇[小]+SF[中]】を盛り込んだ「ちょっとした冒険小説」といった感じです。

「あらすじ」を書いても良いのですが、本当にその「あらすじ」の内容が大部分を占めるというか「起承転結」で言うところの【転】部分がほとんど感じられず、どこで盛り上がったらよいのやら。

(記:スッタコ小僧)

2008年4月25日 (金)

【書籍】『リベルタスの寓話』読破

 「島田荘司」著、名探偵『御手洗潔』シリーズの二編を収録した【本格推理小説】です。

ワトソン役「ハインリッヒ・レーンドルフ・シュタインオルト」・「石岡」は前面に登場するのですが、肝心の「御手洗潔」は【電話】のみの登場・・・。
最近読んだ作品では本パターンが多く、とても《寂しい》感じがします。

加えて、【電話】でのやり取りで「御手洗潔」が解決可能な《謎》なので・・・今までの長編シリーズのように「おおっ」と驚愕する事がなくなってきています。
(まあ、常人の思考ではとても到達できない解決ではありますが・・・。)

特に本作では【密室】のトリックが○○トリックだったりして、興醒めです・・・まあ、古臭いままではなく、(トリックだけではなく、色々な部分で)時代に合った内容を持ってくる点はある意味「凄い」とは思いますが。

更に更に加えて、物語の中核となるべき【リベルタス】が実は《虚構》だった点に衝撃を受けました。
幾らなんでもその部分に《虚構》を持ってきては駄目だろうと・・・。

 「ドゥブロブニク」という欧州に実在した自治都市における選挙にて活躍した小さな「ブリキの人形」・・・【リベルタス】。
 投票結果を不正操作を無くすため、無垢な子供が入り投票結果を振り分ける・・・

上記の【リベルタス】に纏わる伝説を匂わす衝撃的な事件を持ってきているだけに、「実は虚構です。」と「あとがき」に記載されても・・・。

事件の舞台/人物の背景となる悲惨な民族紛争が起こった国・・・については、色々と勉強になりました。
最近の著者は色々と【タメ】になる作品を送り出してくれています。

ただ、【本格推理小説】としては

・あまりに突飛・・・詳しく犯行や