【書籍】『首』読破
「横溝正史(よこみぞ・せいし)」著、"もじゃもじゃ"頭、"よれよれ"袴の名探偵「金田一耕助」が活躍する【推理小説】、短編集です。
「金田一」シリーズの小説は全て読んでいたと思ったのですが・・・・・・本作に収録されている四編については読んだ記憶がありません。
なので、再読ではないと思うのですが──自分の記憶力に自信なし、でも【推理小説】は過去に読んでいたら必ず気づくしなぁ。
映像化されると事件の"おどろおどろ"しさばかり際立つ作品となりますが、小説の文章だと意外と"淡々"。
でも、独特の昭和レトロ、背徳的な雰囲気が匂ってくる・・・・・・扇情的な文句を多用しているわけでもないのに何故だろう。
本シリーズは映像化されると事件の猟奇的な様相にてインパクト大ですが、小説は小説なりの味わいが十分に味わえる・・・・・・著者の力量に感服。
これだけ映像化されていて内容を知っている作品が多々あるのに、小説を読み返したくなる衝動が抑えきれない。(現在、「アガサ・クリスティー」作品が再読対象となっていますが、本シリーズも追加かな。)
~事件の様相にだけ気を取られ、著者のトリックに騙されることなかれ~
事件の驚き状況だけでなく、真相の驚きも、もちろん、提供してくれる作品ばかりです。
○「生ける死仮面」
腐乱死体にデスマスクを被せ、一夜を共にする狂気の彫刻家。
すわ、痴情のもつれによる殺人事件かと思いきや、死因は病死。
異常な死体損壊事件かと思われたのですが──。
○「花園の悪魔」
花園に一糸纏わぬ女性の死体。
直ぐに犯人は判明し、手配するも見つからない逃亡者。
やがて、「金田一」が事件の様相を一変させる事実に辿りつく。
○「蝋美人」
密林の白骨死体を肉付けして復元・・・・・・死因は自殺だが、その容姿は夫殺しで逃亡中、一大センセーションを起した女性の顔!!。
復元者の博士が他殺事件発生、やがて辿りつく意外な真相とは──。
○「首」
三百年前の祟り!?──首は岩の上に胴体は淵へ遺棄された事件。
去年に続き、今年も発生した事件──磯川警部に騙され(!?)、骨休みにきた先にてとんだ事件を担当することになった「金田一」。
ただの猟奇事件ではない、首・胴体切断の理由に迫る、読み応え抜群の作品です。
(記:スッタコ小僧)
« 【アニメ】『装甲騎兵ボトムズ 幻影篇1』を見た | トップページ | 【アニメ・ゲーム】5月18日(水)~5月22日(日)雑記 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 【書籍】『幽霊屋敷』読破(2023.09.28)
- 【書籍】『ブルックリンの死』読破(2023.09.26)
- 【書籍】『複数の時計』再読(2023.09.24)
- 【書籍】『十日間の不思議』再読(2023.09.23)
- 【書籍】『謎、買い取ります。質屋「六文屋」の訳アリな訪問客』読破(2023.09.19)
« 【アニメ】『装甲騎兵ボトムズ 幻影篇1』を見た | トップページ | 【アニメ・ゲーム】5月18日(水)~5月22日(日)雑記 »
コメント