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2011年6月 2日 (木)

【書籍】『首』読破

 「横溝正史(よこみぞ・せいし)」著、"もじゃもじゃ"頭、"よれよれ"袴の名探偵「金田一耕助」が活躍する【推理小説】、短編集です。
「金田一」シリーズの小説は全て読んでいたと思ったのですが・・・・・・本作に収録されている四編については読んだ記憶がありません。
なので、再読ではないと思うのですが──自分の記憶力に自信なし、でも【推理小説】は過去に読んでいたら必ず気づくしなぁ。

 映像化されると事件の"おどろおどろ"しさばかり際立つ作品となりますが、小説の文章だと意外と"淡々"。
でも、独特の昭和レトロ、背徳的な雰囲気が匂ってくる・・・・・・扇情的な文句を多用しているわけでもないのに何故だろう。
本シリーズは映像化されると事件の猟奇的な様相にてインパクト大ですが、小説は小説なりの味わいが十分に味わえる・・・・・・著者の力量に感服。
これだけ映像化されていて内容を知っている作品が多々あるのに、小説を読み返したくなる衝動が抑えきれない。(現在、「アガサ・クリスティー」作品が再読対象となっていますが、本シリーズも追加かな。)

~事件の様相にだけ気を取られ、著者のトリックに騙されることなかれ~

 事件の驚き状況だけでなく、真相の驚きも、もちろん、提供してくれる作品ばかりです。

○「生ける死仮面」
 腐乱死体にデスマスクを被せ、一夜を共にする狂気の彫刻家。
すわ、痴情のもつれによる殺人事件かと思いきや、死因は病死。
異常な死体損壊事件かと思われたのですが──。

○「花園の悪魔」
 花園に一糸纏わぬ女性の死体。
直ぐに犯人は判明し、手配するも見つからない逃亡者。
やがて、「金田一」が事件の様相を一変させる事実に辿りつく。

○「蝋美人」
 密林の白骨死体を肉付けして復元・・・・・・死因は自殺だが、その容姿は夫殺しで逃亡中、一大センセーションを起した女性の顔!!。
復元者の博士が他殺事件発生、やがて辿りつく意外な真相とは──。

○「首」
 三百年前の祟り!?──首は岩の上に胴体は淵へ遺棄された事件。
去年に続き、今年も発生した事件──磯川警部に騙され(!?)、骨休みにきた先にてとんだ事件を担当することになった「金田一」。
ただの猟奇事件ではない、首・胴体切断の理由に迫る、読み応え抜群の作品です。

(記:スッタコ小僧)

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