【書籍】『渇いた季節』読破
「ピーター・ロビンスン」著、『アラン・バンクス首席警部』シリーズの第十作目です。
本書の「解説」にも記載がありますが、本書一冊で<十分>楽しめます。
シリーズを読んでいなくても、<十分>なぐらい登場人物達について描ききっています──
犯人の追及より、事件の背景、登場人物達の心理(捜査側含む、事件以外にも家庭の事情についても含む)
に重点を置いた内容、ボリューム大の作品です。
私は講談社文庫で出版されている第八作『誰もが戻れない』しか読んでいません──それもかなり以前に。
後述していますが、創元推理文庫の方でシリーズ第一作目からいくつか出版されているようです・・・・・・やはり「バンクス首席警部」初登場(デビュー作)も気になりますのでいつか読んでみようと思います。
さて本書内容ですが
猛暑にて干上がった貯水池──50年前に沈められていた村から白骨死体が見つかります。
上司により窓際に追いやられていた「バンクス」・・・・・・嫌がらせにて休暇を返上して事件を押し付けられます。
死体発見のニュースに怯える女性推理小説家・・・・・・
白骨死体の村に住んでいたある女性の手記形式にて綴られる50年前(戦時中)の村・・・・・・
別居中の「バンクス」、音楽の道へ転身した息子の進路について頭を悩ませる・・・・・・
一緒に捜査を担当する事になった魅力的な女性「アニー・カボット」部長刑事、何やら過去に・・・・・・
などなど事件一辺倒ではなく、色々な背景、問題を織り交ぜながら進んでいきます。
事件の真相は正直言って「う~ん」と私は頭を捻りましたが、そこに重点のある作品ではないので。
たまに読むには良い形式かな──。
NO | 作品名 | 作品名 (邦題) |
備考 |
01 | Gallows View | 罪深き眺め | 創元推理文庫 |
02 | A Dedicated Man | 夏の記憶 | 創元推理文庫 |
03 | A Necessary End | 必然の結末 | 創元推理文庫 |
04 | The Hanging Valley | 夢の棘 | 創元推理文庫 |
05 | Past Reason Hated | - | - |
06 | Wednesday's Child | 水曜日の子供 | 創元推理文庫 |
07 | Dry Bones that Dream | - | (米)Final Account |
08 | Innocent Graves | 誰もが戻れない | 講談社文庫 |
09 | Dead Right | - | (米)Blood at the Root |
10 | In a Dry Season | 渇いた季節 | (本書) |
11 | Cold is the Grave | - | - |
12 | Aftermath | - | - |
13 | The Summer That Never Was | - | (米)Close to Home |
14 | Playing with Fire | - | - |
(記:スッタコ小僧)
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