【書籍】『首鳴き鬼の島』読破
「石崎幸二(いしざき・こうじ)」著の《スタンダード》【推理小説】です。
著者の作品については【メフィスト賞】受賞作『日曜日の沈黙』から『あなたがいない島』・『長く短い呪文』・『袋綴じ事件』色々読んでいますが、
どの作品も<一風変わった点>
⇒普通の【推理小説】で扱う舞台・事件・謎解きとは少し毛色が違う点
が印象的で記憶に残ります。
上記点が私は著者の(作品の)【持ち味】と思っていました。
本作品について初めに《スタンダード》とわざわざ付与しているのは、上記【持ち味】(特徴)が残念ながらなくなっていたからです。
■遺産関係で揉めている一族
■舞台は孤島──「頸木(くびき)島」(通称:「首鳴き島」)
■島に伝わる伝説──「首鳴き鬼」伝説
侍に右腕を切られた鬼。
取り返しに来て、左腕を。
両腕を取り返しに来て、首を。
侍、首と両腕を持って島へ渡る。
首が「オーンオーン」と鳴いて胴体を呼ぶ。
胴体、海を渡ってくる。
胴体を焼き、首を粉砕し両腕と共に焼く。
■「首鳴き鬼」伝説の【見立て】通り(遺体損壊)の連続殺人事件発生
といった【推理小説】ではある意味、《定番》の設定・展開となっています。
《スタンダード》・《定番》だから面白くないのかというと、そうではありません。
純粋に【トリック】の謎解きが楽しめる作品となっています。
【トリック】を活かすためにあえて著者お得意の《スタイル》を崩したといった所でしょうか。
久しぶりに【トリック】ありきと言うかメインの作品を読みました──【トリック】の内容・【トリック】重点に傾倒する事の良し悪しはともかく。
(記:スッタコ小僧)
« 【書籍】『宇宙海兵隊ギガース2・3』再読・読破 | トップページ | 【アニメ】『ルパン三世 DEAD or ALIVE』を見た »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 【書籍】『謎、買い取ります。質屋「六文屋」の訳アリな訪問客』読破(2023.09.19)
- 【書籍】『影のない四十日間』読破(2023.09.19)
- 【書籍】『蒼ざめた馬』再読(2023.09.12)
- 【書籍】『災厄の町』再読(2023.09.09)
- 【書籍】『名もなき毒』読破(2023.09.06)
« 【書籍】『宇宙海兵隊ギガース2・3』再読・読破 | トップページ | 【アニメ】『ルパン三世 DEAD or ALIVE』を見た »
コメント