【書籍】『ナナフシの恋~Mimetic Girl~』読破
「黒田研二」著、青春小説と見間違う表紙(※講談社ノベルス)ですが【本格推理小説】です。
「黒田研二」さん──今まで著者の作品は色々と読んでいますが、いつもその《仕掛けの多彩さ》に吃驚です。
加えて、読んだ後「暗く」なる作品が少ないのも好感を持ちます。
オドロオドロしい雰囲気・孤島/洋館に蠢く怪人(殺人者)・驚愕の謎(トリック)、救われない最後(「やたらとボリューム大」または「若干読みづらい」などの欠点所持の場合あり)の作品も嫌いではないのですが、続くとさすがにちょっと・・・・・・そんな時、本著者の作品は効力発揮です。
一つ欠点を言えば《シリーズ物が滞っている点》かな・・・・・・「保育園」と「人形に意識不明の刑事が」──の2つのシリーズ、登場人物達の次の活躍が待ち遠しいです。
さて本作の話です。
タイトルの「ナナフシ」は昆虫、敵から身を隠すため【擬態】能力を持っています。
同じくタイトルに含まれる「Mimetic」はそのものズバリ【擬態】を意味しています。
読み進めて、
中盤で「ああ、なるほど」(弱め)
と思ったタイトル
終盤で『なるほど』(強め)
と納得です。(やはり、最後の最後でやってくれるなあ。)
呼び出しメールにて新校舎3Fの教室に集った男女6人──
呼び出したのは25日前に飛び降り自殺を図り、今だ意識不明の【クラスメイト】です・・・・・・現場は集められた3Fの「この教室」。
一体誰が・・・・・・呼び出し者/理由を解明するため、上記【クラスメイト】の話をするも皆一様に「印象がない・・・・・・顔、髪型が思い出せない。」。
それ程までに<他人と触れ合わず>に来たのに一体、どんな動機が・・・・・・自殺の現場には不審な点、加えて呼び出された男女の事件当日の行動から色々不可解な点が浮かびあがってきて、果たして事件の真相は。
集められた教室の中だけで数時間の話し合いから浮上してくる謎、そして到達する真相──短くて一気に読み終わりましたが色々と《ズッシリ》くる作品でした。
(記:スッタコ小僧)
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