【書籍】『リベルタスの寓話』読破
「島田荘司」著、名探偵『御手洗潔』シリーズの二編を収録した【本格推理小説】です。
ワトソン役「ハインリッヒ・レーンドルフ・シュタインオルト」・「石岡」は前面に登場するのですが、肝心の「御手洗潔」は【電話】のみの登場・・・。
最近読んだ作品では本パターンが多く、とても《寂しい》感じがします。
加えて、【電話】でのやり取りで「御手洗潔」が解決可能な《謎》なので・・・今までの長編シリーズのように「おおっ」と驚愕する事がなくなってきています。
(まあ、常人の思考ではとても到達できない解決ではありますが・・・。)
特に本作では【密室】のトリックが○○トリックだったりして、興醒めです・・・まあ、古臭いままではなく、(トリックだけではなく、色々な部分で)時代に合った内容を持ってくる点はある意味「凄い」とは思いますが。
更に更に加えて、物語の中核となるべき【リベルタス】が実は《虚構》だった点に衝撃を受けました。
幾らなんでもその部分に《虚構》を持ってきては駄目だろうと・・・。
「ドゥブロブニク」という欧州に実在した自治都市における選挙にて活躍した小さな「ブリキの人形」・・・【リベルタス】。
投票結果を不正操作を無くすため、無垢な子供が入り投票結果を振り分ける・・・
上記の【リベルタス】に纏わる伝説を匂わす衝撃的な事件を持ってきているだけに、「実は虚構です。」と「あとがき」に記載されても・・・。
事件の舞台/人物の背景となる悲惨な民族紛争が起こった国・・・については、色々と勉強になりました。
最近の著者は色々と【タメ】になる作品を送り出してくれています。
ただ、【本格推理小説】としては
・あまりに突飛・・・詳しく犯行や推理の経緯が語られていますが、正直《荒唐無稽》に聞こえます。
・最近放送されたアニメの推理モノで同様の【謎】を扱っており、既知だった事。(アニメを見る前にも知っていましたが、該当知識が鮮明になっている状態となっていました。)
とのちょっと不満の感想です。
(記:スッタコ小僧)
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