【書籍】『QED~flumen~九段坂の春』読破
「高田崇史」著、『QED』(quod erat demonstrandum:証明終わり)シリーズ・・・【推理小説】です。
本作は長編ではなく、四編の短編集です。
シリーズ定番の登場人物達が昔(学生時代)に遭遇した事件を扱っています。
遭遇とは行かないまでも、その後の出会いを予想させる展開も盛り込まれていて、読んでいると「ニヤリ」とさせてくれます。
本シリーズの見所は何と行っても色々な事柄(歴史など)について、【裏に隠された】または【別方面/別視点での】《解釈》または《知識》を与えてくれる点です。
「なるほどこんな見方(解釈)ができるのか、そう言われると・・・」などなど。
本シリーズを読むと「住んでいる日本について、自分はあまり物を良く知らないなあ・・・」と毎度の事ながら感じます。
本作は短編集との影響もあるかも知れませんが、上記《知識面》は一つに集中していないため、若干【弱い】作品となっています。
逆に《とっつき易さ》がありました・・・大河ドラマで有名になった「武田信玄」の軍師「山本勘助」についての解釈など、時流に合わせた知識も披露してくれています。
【推理小説】として読むと若干、《首を捻る》作品となっていますが(前作『河童伝説』が幾分、良かったため残念)、本シリーズの【入門編】としたら適切な作品なのではと思いました。
まあ、登場人物が分からない点はマイナスとなりますが、一作目の『百人一首の呪』よりは手をつけ易い作品と思います。
さて内容について少し・・・
■「九段坂の春」:「桑原崇」学生時代の【恋】
■「北鎌倉の夏」:「棚旗奈々」学生時代の【恋】
■「浅草寺の秋」:「小松崎良平」学生時代の【恋】
■「那智瀧の冬」:「御名形史紋」学生時代の・・・単に事件に遭遇・解決
の四編となっております。いずれも「ほろ苦い(省略)・・・。
NO | 作品名 |
01 | QED 百人一首の呪 |
02 | QED 六歌仙の暗号 |
03 | QED ベイカー街の問題 |
04 | QED 東照宮の怨 |
05 | QED 式の密室 |
06 | QED 竹取伝説 |
07 | QED 龍馬暗殺 |
08 | QED~ventus~鎌倉の闇 |
09 | QED 鬼の城伝説 |
10 | QED~ventus~熊野の残照 |
11 | QED 神器封殺 |
12 | QED~ventus~御霊将門 |
13 | QED 河童伝説 |
14 | QED~flumen~九段坂の春 |
『千葉千波の事件日記』シリーズはパズルが得意ではないため、あまり・・・。
でも、酔って名推理を働かせる『麿の酩酊事件簿』シリーズは大好きなのですが・・・最新刊が全然出ていない。
(記:スッタコ小僧)
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