【書籍】『λに歯がない』読破
「森博嗣」著の推理小説『Gシリーズ』第5作目です。
前作の「高速バスハイジャック」事件から、一転して今度の定番の【密室】物です。
まあ、前回の事件の方が著者が扱う事件の題材として珍しかったのですが・・・。
【密室】・・・大好きな題材ではありますが、それだけに《期待を裏切られる》作品も多いテーマです。
果たして、どうなることやら・・・。
事件の内容は元々著者の作品設定が、古き洋館・孤島などが出てくる雰囲気ではないため、言葉が適切か分かりませんが【現代的】です。
各ドアに【セキュリティシステム】があり、入退出すると記録およびカメラが作動し録画されるという仕組みです。
上記システムがある研究施設にて、4人もの銃殺された遺体が発見される事件が発生しました。
事件後、凶器の銃も室内および施設内から発見できず、上記【セキュリティシステム】の記録から犯人が出て行った形跡がありません。
【密室】
です。
しかも、被害者全員、死後に【歯が抜かれている】という異常な行為・・・。
否が応にも、「トリック」および「異常な行為の動機/謎」への興味を掻き立てられます。
結果は・・・。
私は正直、【機械的トリック】はあまり好きではありません。
ただ、「ジョン・ディクスン・カー」(カーター・ディクスン)は好きです。(他の小説やアニメなどでトリックが広まってしまっていますが。)
なので、毛嫌いする程でもないのですが・・・。
もう、意表をつくトリックはないのでしょうか。
まあ、本作はフェアだったと思います。
伏線や十分ですし、該当トリックへ辿り着く知識もある程度ですが提示されています。
ただ、前述に記載した通り個人的には【密室】部分は残念・・・さて、【歯が抜かれている】方はと・・・。
・・・(無言)。
まあ、あまり期待はしていなかったのですが、それでも【この説明】は・・・。
こんな事なら、【歯が抜かれている】という謎は必要なかったです。
まとめると個人的には期待した【密室】部分が少し裏切られた感じがあるので、前作が良かっただけ残念です。
ただ、まあ【密室】部分もある意味「盲点」と付いたトリックだったのですが、類似のトリックを他作品で知っており、新鮮味が弱かったことが影響しているかもしれません。
類似のトリックを知らない人には、別のインパクトを与える作品かも知れません。
(記:スッタコ小僧)
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